入学式のハプニング ( 2 )
すると、私の望んだ通りの答えが返ってきた。
「も、もちろん俺は普通にセスの入学式を心から祝うさ。あんな屑王子達のことは忘れよう」
「おめでとうございます、セス姉様! 姉様なら学園でも人気者ですよ!」
私は満足してふうと息をついた。
そして、セドリーの言ったことを反映させる。
ん? 人気者?
そういえば、これ乙女ゲームだよね。絶対に悪役令嬢的な存在いるでしょう?
記憶を振り絞って、必死に思い出す。
いたような気がする。というか、いた。
ことごとく邪魔をしてくる存在。
王子達を狙っていて、ヒロインに絡んでくるんだったかな。
王子達は私のモノよ! って。
ありがたく譲り渡させてもらいたい。
私は学園では浮きたくない! いじめ、ダメ、絶対。
悪役令嬢に狙われないように立ち回ろう。そして、彼女の王子達との恋を応援しよう。
できる気がする。前世の私はそういう裏方は得意だった。私ならできる!
ファイト、私!
必ず平穏な学園生活を手に入れるぞ!
――その時、私は壮大なフラグを立ててしまっていたことに、気が付かなかった。
読んでくださりありがとうございます。
短くてすみません。