~勇者のスキル~
遅くなりました。三話目です
やっぱり来たな。定番展開。こんなに可愛い女の子頼まれたんだから、断る理由なんてないぜ。
「もちろん引き受けさせてもらおう!」
「本当ですか?ありがとうございます!勇者様!」
「まあ、勇者として召喚されたんだ。当然だぜ。」
「ちなみにですが、勇者様の《ステータス》はどれくらいなのですか?」
「ステータス?見たことのないな。どうやって見るんだ?」
「《ステータス》はこうやって手を前にかざしいて‶ステータスオープン"と唱えてください。」
「こうか?‶ステータスオープン"!ってうわ、なんか出た。」
俺が唱えるとヴォン、という音を出しながら、半透明の板が出てきた。
「勇者様、失礼いたします。」
そういうと王女様は俺のステータス画面をのぞき込んできた。てか距離近いな。しかもめっちゃいい匂い。男子校育ちで小学校は、陰キャだった俺だから、こんなに女子に近づいたことなんて人生で一度もないけどホントに本の中みたいにいい匂いがするなんて異世界サイコー!
「勇者様は、えーと、レベル20!?そんな初期レベルが20なんてさすが勇者様です!」
「レベル20は低くないか?」
「いえ、低いだなんてとんでもない。ここにいる騎士たちは我が国の精鋭ですが一番レベルが高い者でもレベル15です。しかもレベルが1違うだけでも天と地ほどの差があります。」
そんなに違うものなのか。なんか向こうにいたときに読んでたダンジョンに出会いを求める話みたいだな。
「ちなみに、魔王のレベルはどれくらいなんだ?」
「……魔王のレベル、ですか。」
ん?なんだ最初の間は?
「これはあくまで推定なのですが、魔王は、最低でもレベル30、最悪レベル50はくだらないかと。」
…は?最低でレベル30だって?俺よりも全然強いじゃねーか。
「そんな奴に、俺たちでかてるのか?」
「っ、勝てる可能性は、あります。」
「その方法は?」
「一つは勇者様のレベルアップ、そしてもう一つが勇者様しか持つことができないといわれている『称号』の力です。」
「称号ってなんだ?」
「称号は勇者様しか持つことができないと言われている力で、スキルの上位互換です。称号はステータス画面に記されています。」
えーと。ということはどこかに、お。あったあった。俺の称号は、『異世界の勇者』と?げ、『ひよっこ陽キャ』ってなんだよ。めっちゃ変なの出た。
「勇者様、どうかなさいましたか?」
「あー、いや、何でもない。」
はー。これからが思いやられるぜ。ほんとにどうしたもんかなー。