『逆境のカイジZAPPAN計画』
『逆境のカイジZAPPAN計画』
年の刻、二千七十二年の冬・・・
大作を造り終え、我が所でネタを検索していたりしていると、発明の扉が開いた。
???「造さん居ますか~?依頼を持ってきました。」
『Uボートを格納できる水路 ブンカーを造ってほしい』、これが始めての彼からの依頼だった、彼は神菜 海路と言う。この店に数ヶ月前から入店しているので、ジェフリーカードを持っている。彼は日本の海安隊員であった。彼の所属した部隊は隣国からの密輸漁を取り締まるものだったのだが、現在ではここの隣で今までの水上では警告能力が薄いと、別作を考えて、手の付く所から進めていた。地図や設計図を見せてくれた。地図には鉛筆で北湊の水路から、此処の地下を通り、隣の海事所で西へ広がっていた。この空間が格納庫だろうか?
造「まずは停泊する場所をという事ですか。」
海路「お願いできますか?」
造「えぇ、まぁ。町に了解が得れるか分かりませんが。」
町からは、強度や耐水性について問われた。ここでは問題にはならなかった。
海路「Uボートは最低限の設備は揃っているらしいです。確か会社名は、ドイツのDLVでしたかね。」
造「私がそれを持ってくればいいんですね?」
海路「それでは、会社には私が電話しておきますから。」
ワームホールでドイツまで行く。地球の言葉は見ても聞いても理解できる。すでに私の標準装備・・・
受付嬢「いらっしゃいませ。DLV本部です。初めてですよね?」
造「あ~会社に来たのは初めてですね。え~依頼がありまして、その輸送を行おうと思いまして。」
受付嬢「どちらの乗り物ですか?」
造「Uボートです。」
受付嬢「と言いますと、神菜 海路様のUボートですね。」
造「はい。」
受付嬢「では、氏名を伺わせてもらいます。」
造「潮上 造です。」
受付嬢「潮上様ですね。ではこちらへ。」
エレベータホールへ招かれ、地下四階のゲートが開く。降り立ち歩きながら・・・
受付嬢「ところで、地上へはエレベータで運べますが、その後はどうされるのですか?」
造「私は此処に一人で来たわけではありませんから。」
受付嬢「仲間が居るんですね?」
造「まぁ、そんなところです。」
受付嬢「さぁ、これが、お望みのものですね?」
造「お~」
DLVと艦橋後部に白く書かれた鋼色のUボートが、黒いパイプのトラックに支えられている。荷台の真ん中から梯子が伸びているので、
受付嬢「中を見ますか?」
と質問してもらえた。
造「いいえ、何かあればお知らせしますから。」
受付嬢「そうですか。ではお願いします!」
・・・私へのお願いかと思ったが、彼女の令でトラックの進行方向からモーター音がし始めた。ドンッと音を立てると、天井や壁の黄色いランプが回灯し、今度はアラームとモーターの音が大きくなっていった。そして私たちは、いとしのUボートと地上へと顔を出したのだ。
受付嬢「それでですが、貴方達の輸送班はどちらですか?」
造「えぇ、この子達です。」
私は大きなグリーンリングで、我が所のドックと繋いだ。Uボートがこのままではトラックに干渉してしまうので、さらにこれを浮かした。彼女たちの口は、息をすることがやっとだったらしい。Uボートをこのまま向こうに持って帰ろう。
造「それでは、また。」
私は地面をすり抜けるように飛ばされたのである。
続く・・・