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欠陥奴隷の英雄偽譚 ~レベル上限のある世界をスキル強奪チートで這い上がる~  作者: 結城 からく


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第83話 欠陥奴隷はスキルを検証する

 ひとまずスキルの複合が一通り完了した。

 他は一旦保留にしておく。

 単体の方が使い勝手が良さそうなものも多い。

 そうでないスキルも、合体させるのに向いているであろう能力が得られるまでは置いておく。


 別に放っておいても害はない。

 今後の楽しみにしてもいいだろう。

 正直、現状のままでも十分すぎるほどに強力なスキルが揃っているのだから。


 色々と整理ができたところでスキルの検証に移る。

 まずは"血杖"のウィズから手に入れた【鮮血女神の呪護】だ。


 血を捧げると力が大幅に増幅し、それを怠れば衰弱する。

 スキルの名称的に、鮮血女神とやらが供給元だろう。


 英雄ウィズにかけられた呪いであり、俺にも適用されるのか疑問だったが、問題なく有効化することができた。

 自分の血を微量ながらも捧げるだけで肉体強化を感じた。

 効果の倍率はかなり高めと見て良さそうだ。

 ただし何もせずに放置しておくと、どんどん力が失われていく。

 ウィズはあの血杖で常に血を捧げ続けていたのだろう。


 色々と試しているうちに面白いことが判明した。

 衰弱の効果だが、どうやらスキルを解除しておくと影響を受けないらしい。

 必要な時だけ発動すれば良い効果のみを受けられるのだ。


(さすがに都合が良すぎるんじゃないのか?)


 俺はスキルを解除して訝しむ。

 これでは呪いとは言い難い。

 戦闘時だけ発動すれば、何も困ることはないだろう。

 代償などほとんど無いようなものである。


 そのことについてサリアに相談すると、彼女はあっさりと答えを提示してくれた。


「ルイス君の【死体漁り+】が血の呪いをスキルに変換したのよ」


「どういうことだ?」


「たとえば爪や牙や触手は、その生物の部位に過ぎないでしょ。だからスキルには該当しないんだけど、ルイス君はスキルとして取得している。簡単な話、死体の特性をスキル化したんじゃないかしら」


 それは分かりやすい説明だった。

 言われてみればそうだ。

 あまり考えてこなかったがサリアの言うとおりである。

 スキルなのかと言いたくなるタイプの能力は何度か手に入れていた。


 どうやら俺の【死体漁り+】は、その死体の特性や力をスキル化する効果もあるらしい。

 もちろん元から内包していたスキルも取得しているので、これまでの解釈も間違っているわけではない。

 隠し効果があったというだけだ。


(まだまだ研究が必要だな)


 やはり【死体漁り+】についてはもっと知っておきたい。

 頭を働かせるのはあまり得意ではないものの、今回ばかりは仕方ない。

 これからに関わることだ。

 英雄となるのだから、それに相応しい努力をすべきだろう。


 他のスキルも試してみるため、オレはサリアに頼んで魔物を呼び寄せてもらった。


 茂みから進み出てきたのは一体のゴブリンだ。

 凶悪な顔で棍棒を持っているが、もはや大した脅威でないのは知っている。


 俺は手をかざして【魔導波】を使用した。


 空気を叩く重い音と共に、ゴブリンの身体が吹き飛んだ。

 転がったゴブリンは頭部の大部分が破裂している。

 言うまでもなく即死だった。


 今のは魔族の使っていた衝撃波である。

 魔力消費は微量で、気軽に連発できそうだ。

 魔族はこれで霧の刃や血の拘束を破壊していたので、攻防の両面で使えるスキルだろう。

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