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欠陥奴隷の英雄偽譚 ~レベル上限のある世界をスキル強奪チートで這い上がる~  作者: 結城 からく


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57/85

第57話 欠陥奴隷は戦いに身を投じる

(これが魔族の能力か!)


 不利を悟って、配下を呼び出したらしい。

 これだけの数が向こうの拠点に待機していたのだろう。

 森林からまだまだ出てくるところを見るに、近隣一帯の魔物を従えているのではないか。


「くそ、厄介すぎる」


 舌打ちしていると、槍を持ったゴブリンが攻撃を仕掛けてきた。

 身を捻って刺突を躱した俺は、反撃のナイフを首筋に叩き込んでやる。

 薙ぎ払うように切り裂き、その命とスキルを奪い取った。



>スキル【連続突き】を取得



 周囲は既に乱戦状態に陥りつつあった。

 冒険者と兵士は、魔物の攻撃を食い止めている。


 現在の王国軍は円形の陣を築いていた。

 中心部に近接戦闘が苦手な魔術師を置いて、外側を屈強な剣士や冒険者が囲う形である。

 森林に近い最前線では、英雄達と魔族が攻防を繰り広げていた。


 俺はそこからやや離れた外側の守りにいる。

 付近の冒険者達が奮闘しており、若干の余裕があるので戦いの模様が確認できる。

 今のところは両陣営が拮抗しているが、しかしいずれ破綻する予感があった。


 魔物の数は人間よりも遥かに多い。

 だんだんと包囲されかけている。

 多種多様な魔族が参戦しながらも、見事な連携を見せていた。

 間を縫うようにして王国軍を攻撃して、着々と前線を潰そうとしている。


「うおおおああああぁぁっ!?」


 近くで悲鳴が上がった。

 見れば冒険者が逆さ吊りとなっていた。

 足首に植物の蔦が絡まって持ち上げれている。

 そこに魔物が殺到し、槍や剣を使って無防備な冒険者を突き殺していた。

 あちこちで同じく蔦が生えており、兵士と冒険者に不意打ちを与えている。


(植物の魔物もいるのか)


 そうなると足元にも気を付けなければならない。


 気を引き締めてナイフを構えていると、魔族が再び咆哮を轟かせた。

 遠目にも血の縄の拘束が解けているのが分かる。


(どうして術が無くなっているんだ?)


 視線を動かせば、ウィズが植物の魔物に苦戦していた。

 血を使って自分の身を守っている。

 それによって集中が途切れた結果、拘束が外れてしまったようだ。


「よくもやったくれたなァ……本番はここからだぜ」


 自由になった魔族は不敵な声を洩らして二人の英雄と対峙する。

 形勢が一転して、気の抜けない戦況となってしまった。


 とは言え、英雄達の心配をしている場合ではない。

 自分の命は自分で守らねば。

 彼らならきっと魔族だろうと倒せるだろう。

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