第48話 欠陥奴隷は魔女に相談する
その後、俺はギルドからサリアの隠れ家へと戻った。
まずは彼女に相談しようと思う。
あまり悠長に決めていられない案件だが、戻って話し合うだけの猶予はあった。
別に一人で受けても問題ないものの、サリアともそれなりの付き合いになってきた。
勝手な行動はやめておこうと思った。
いい加減な対応で機嫌を損ねるのも恐ろしい。
玄関扉を開けると、すぐに奥からサリアが出迎えに来てくれた。
「あら、おかえりなさい。早かったわね。良い依頼が無かったのかしら」
「むしろその逆さ。受けたい仕事を見つけたんだ」
俺は室内に入りながらギルドでの出来事を説明する。
魔族に関する依頼について、職員から聞いた内容をそのまま伝えた。
「上手くやれば魔族のスキルが手に入るかもしれない。ここは依頼を受けたほうがいいと思っている」
「そうねぇ。私も賛成よ。たまには大きな戦いに出向くのも楽しそうだもの。それに、魔族以外のスキルだって取れちゃうだろうし」
サリアは顎に指を当てて述べる。
特に反対されることはないと予想していたが、その考えは正しかったようだ。
魔族以外のスキルとは、冒険者や兵士のことだろう。
それなりに大規模な戦争だから、きっとこちらの陣営にも被害が出る。
どさくさに紛れてスキルを奪うのは悪くない策だと思われた。
「俺は参加するが、サリアはどうする?」
「もちろん参加するわ。さっそく大活躍して、ギルドに恩を売っておこうかしらね。いきなり昇級もありそうじゃない?」
「確かにそうだな……」
サリアならさぞ活躍するに違いない。
むしろ英雄を差し置いて貢献するのではないか。
たぶん誇張表現ではないだろう。
「そうと決まったら、さっそく準備を進めないといけないわね。明日の朝には出発すべきじゃないかしら」
「分かった。俺も用意をしておく」
「あまり緊張しなくても大丈夫よ。万が一の時は、私が残らず蹴散らしてあげるから。魔族とか英雄に負けるほど柔じゃないのよねぇ」
「……頼りにしている」
サリアがいれば安心だ。
どんな窮地でも覆してくれそうだった。
認定試験の時は俺の戦いを見守ることが多かったが、さすがに魔族が相手ならその能力を発揮してくれるはずである。
(英雄を見て学ぶ。いつかは超えるべき相手なんだ)
俺は此度の依頼に期待していた。
大量のスキルを手に入れられる機会だ。
英雄の戦いを間近で見ることができる。
サリアに頼りすぎず、俺も何か掴んでいこうと思う。




