表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
欠陥奴隷の英雄偽譚 ~レベル上限のある世界をスキル強奪チートで這い上がる~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/85

第38話 欠陥奴隷は冒険者になる

 俺は渡された羊皮紙を確認する。

 そこには試験に関する評価内容が載っていた。

 最も目立つ場所には、等級も記されている。


「七級……」


「あら、私は六級ね」


 隣でサリアが呟く。

 それを聞いた俺は意外に思い、反射的にギルドマスターを見た。


 視線の意味を察した彼は淡々と反応した。


「不満かな。個人的には正当な結果だと思っているがね」


「サリアが低すぎないか?」


「新人冒険者は、どれだけ成績が良くても四級から始まるのだよ」


「それなら四級が妥当だと思うが……」


 サリアほど強い人間はいない。

 熟練の冒険者だろうと一蹴できるだろう。


 それなのに六級とは不可解であった。

 嫌いだから評価を下げたとしか思えない結果だ。


 もっとも、ギルドマスターには言い分があるらしい。

 彼はサリアを一瞥して説明する。


「試験中、サリアは怠慢とも言える行動が目立っていた」


「それは俺を鍛えるためで――」


「何度も言うが果実の回収は試験だ。君達の事情など関係なく、その行動の可否を判断させてもらう」


 ギルドマスターは毅然とした態度で述べる。

 そこまで言われると反論できなかった。


「君の鍛練目的という点を加味しても、サリアの行動は良くなかった。魔術の力押しが目立って、全体的に雑だったな。戦闘能力は十分だが、冒険者としての適性は決して高くない」


「厳しい意見ねぇ。私にそんなことまで求めるの?」


「冒険者になりたいのだろう。この界隈では新人なのだから、真摯に聞いておくといい」


「はーい」


 サリアは気だるそうに返事をする。

 それほど不満そうではない。

 ギルドマスターの説明を聞いて納得したのかもしれなかった。

 或いは冒険者の等級にそこまで興味がないのか。


「ルイス、君は悪くなかった。まだまだ不安定だが、その場における最適な選択ができていたね」


「そ、そうか……」


「君ならすぐに昇級するだろうな。期待しているよ」


 ギルドマスターが俺の肩を叩いて笑う。

 なぜか評価されているらしいが、よく分からない。

 現状、サリアの方が何十倍も有能だろう。


 それはともかく、話が終わった雰囲気だった。

 用事も済んだところで、俺達は部屋を出ようとする。


「そうだ、言い忘れていた」


 扉に手をかけたところでギルドマスターが呟いた。


「何だ?」


「果実の守護者――あのゴーレムは強かったかな。まさかサリアではなく、君に壊されるとは思わなかったよ」


「……まさか、ゴーレムはギルドが用意したのか?」


「その通り。認定試験のうち最難関の敵だが、よく倒せたものだと感心したよ。設計に携わった職員も悔しがっていたな」


 ギルドマスターが愉快そうに種明かしをする。

 だからゴーレムのスキルの中に【手加減】があったのだ。

 新人冒険者を殺さないように設定していたに違いない。


 ただ、あの打撃をまともに受ければ死んでいた気もする。

 ギルドマスターは最難関の敵だと言ったので、試験を受ける者によって、あそこで現れる魔物は変更されるのかもしれない。

 ようするに死ぬような冒険者にゴーレムは使わないのだ。

 サリアがいたことであのゴーレムになったと考えると、理解は簡単であった。


(まあ、冒険者になれたからいいか)


 なんだか策にはまった感覚だが、目的は達成できた。

 強力なスキルも大量に取得したのだから、文句もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ