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欠陥奴隷の英雄偽譚 ~レベル上限のある世界をスキル強奪チートで這い上がる~  作者: 結城 からく


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第33話 欠陥奴隷は死闘に挑む

 樹木は辺り一帯に転々と立っており、それぞれに赤い実がなっている。

 ギルドマスターに見せられた紙片に載っていたので形状に憶えがあった。

 つまり試験の採取対象となっていた果実だ。


「夜も更けてきたわ。さっさと採って帰りましょ」


「ああ、そうだな」


 俺はサリアに続いて樹木に近付く。

 果実はそれなりの高さにあるが、木を登れば余裕で採れる。

 サリアの魔術なら遠距離からでも採取が可能だろう。


(想像以上に簡単だったな)


 ギルドマスターは意地の悪い雰囲気を醸し出していた。

 だからもっと困難が待っているものかと警戒していたのである。


 よくよく考えてみれば、これは冒険者の認定試験で、新人未満の人間が挑戦する。

 過度に難しい試験内容になるわけがない。

 道中で様々な魔物と戦って、実際に致命傷を負ったし、きっとあれが試験の本題だったのだろう。


(俺は失敗ばかりだったな)


 樹木を登りながら俺は考える。

 冒険者らしく頑張ろうと思ったが、ここまで色々と甘かった節がある。

 もっと上手くやれたのではないかと思える場面が多かった。


 冒険者としては失格な気もするものの、目的であった果実は手に入るのだ。

 これで帳消しになることを祈るしかない。


 その時、常時発動中の【混合探知網】に強烈な反応があった。

 すぐそばから何かの気配が近付いてくる上、強大な魔力も感じられる。


「ルイス君」


「分かっているっ」


 サリアの警告に叫びながら、俺は樹木から飛び降りた。

 直後、俺のいた場所を何かが通過する。


「うおっ」


 その風圧で吹き飛ばされた俺は地面を転がった。

 身体を打った痛みを堪えながら立ち上がる。

 口に入った土を吐きながら樹木の方角に目を向けた。


 そこには身の丈を大きく超える石の人型が立っていた。

 苔の生えた巨躯を揺らしながら佇んでいる。

 時折、頭部の隙間から魔力の光を瞬かせている。


 それは魔術生物のゴーレムだった。

 しかも通常よりかなり巨大なので、おそらく特殊な個体なのだろう。

 こんなところに出没するなんて聞いたことがない。

 近くの遺跡や迷宮から抜け出してきたのだろうか。

 よく分からないが、敵対しているのは確かだ。


 ゴーレムは地響きを立てながら近付いてくる。

 いつの間にか横まで退避していたサリアは嬉しそうに微笑した。


「簡単には終わらないと思ったけど、こういうことだったのねぇ」


「最悪だ……」


 俺は思わずぼやく。

 それを聞いたサリアは不思議そうに首を傾げた。


「最悪? 最高の間違いじゃないかしら。素敵なスキルが貰えそうでしょ?」


「確かにまあ、そうだが……」


「私が援護してあげるわ。頑張って倒してね」


 サリアが俺の背中を軽く押した。

 つんのめった俺はゴーレムと対峙する。


(クソが。魔女に反抗するよりマシか)


 ゴーレムに挑む方がまだ安全に違いない。

 幾分か前向きになった俺は、気合を入れて戦いを始めるのであった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 魔術生物ならゴーレムが相手でも死体判定受けられるのか!
[気になる点] >ギルドマスターは意地の悪い雰囲気を醸し出していた。 からの〜、↓ >すぐそばから何かの気配が近付いてくる上、強大な魔力も感じられる。 ルイス、嫌な予感を的中させる。 ……検討を祈…
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