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男子辞めます。  作者: 安田 桜
9/18

今までとこれからと2


別に恋愛に興味がなかった訳では無い。

けれども、女性に対して友情はあれど、恋愛感情を抱いたことはなかった。

かと言って同性に対してもだ。


多分、自分のことで手一杯だったのだろう。


オカマだと虐められた事もある。

女の子を羨んだ事もある。

僕が女の子であれば虐められることもなかっただろうし、女の子趣味なんて父親から小言を言われることも無かっただろう。


僕は周りの目を気にして男らしくなろうとした。

しかし、それとは裏腹に高校入学した時には身長も程々で止まってしまったし、体つきも細いままだった。


運動は苦手で唯一体育だけ内申点でもってる様なもの。

挙句の果て文化祭の女装コンテストに断れず出場し優勝してしまったり…。


男らしく、男らしくと自分を知らぬ間に追い詰める。


過去との決別の意味もあって関西から関東の大学に進学した。

ほとんど過去の僕を知る人がいないと言うのは居心地が良かった。


しかし、やはり故郷は忘れられなかったのか、たまたま同郷だと知った涼子と仲が良くなった。

偶然サークルも一緒だった。

先輩や教授の愚痴を何時間もファミレスで吐いたり、買い物に付き合ったりしているだけで楽しかった。それ以上の感情はなかった。

それなのに周りに乗せられたということもあるが、気づけば涼子と付き合うことになっていた。


就活も上手く行ったが、そこでも僕は男らしくあろうとした。


自分の意思で生きてきたつもりだったのに、僕はこんなにも流されていたのか…。


無理をして生きてきたのだろう。


何に?


男らしくあろうとする事に?


そうだ。


もう『自分らしく』あればいいんだ。


自分らしく生きていこう。

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