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別れ
こんな僕にも一応は彼女がいる。
志村 涼子。
同い年で大学時代から付き合っている。
地元が近く話も合い彼女の告白を断る理由も特に見当たらなかった。
しかし、僕は地元から離れ関東で、彼女は地元の関西へ。
最初は毎週のように会っていたのだが、ここ最近は月に一度、ひどい時は三ヶ月会わなかった時もある。
今朝の夢のせいか少し眠気が残ったまま家を出て新幹線に乗る。少し仮眠をとり、予定より早めに待ち合わせ場所に着いた。
今日もいつもの様にショッピングして、いつもの様に食事して…。
今日は様子が違った。
食事後のコーヒーを飲んでいると、
「晶、もう別れよう。他に好きな子でもおるんやろ?」
涼子の方から別れを切り出された。
「なんで?いないよ!」
「私と1度も…キスさえした事もないやん…。最近晶から全然連絡くれんし…。私、もう我慢できんわ。」
僕は何も答えられず呆然としてしまった。
普段からおっとりしてる涼子があんなに怒った所なんて初めて見た。
「さよなら…。」
涼子は振り返りもせず店から出ていった。