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男子辞めます。  作者: 安田 桜
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幼少期の記憶


その日、僕は昔の夢を見た。


「オカマだー!オカマが来たぞ!」


「逃げろ!オカマが伝染る!」


周りの男子から浴びせられる罵声。


「やめてよ…」


泣きながらしゃがみこんでしまう僕。

このあとどうなったんだっけ?

しかし、急に場面が変わる。


今度は兄と家路についた時の事だ。


「うち、大きくなったらにーちゃんのお嫁さんになる!」


あぁ、突拍子もないこと言って困らせてたっけ?

兄さんの困り顔が見える。

そしてまた場面が変わる。

どんどん思い出したくない過去が夢に投影されていく。

もう止めて。

見たくない。

止めて。


「止めろ!!」


時計を見ると午前3時だ。


「なんて夢だよ…。」


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