変化と周りの目
僕自身変化に気づいてる訳で、当然ながら周りにも僕の変化に気づき始めていた。
「なんか最近三崎さん、雰囲気変わりましたね。」
天野さんが声をかけてきた。
「そうかな?特に変わってないと思うけど?」
なんとか取り繕う。
多分、過去の僕を知る人から見ると変わってきていると言うのがわかると思う。
結局誰にも言い出せずのままだが…。
「なんと言うか顔つきが柔らかくなったというか、前までの険しさが無くなったと言うか…?」
「色々と心に余裕もでてきたからかな?」
実際それもあると思う。
「前と違ってとっつきやすいと言うか自然?な感じですね。何かいい事でもあったんですか?」
答えに少し困った。
「そうだね。色々ふっ切れた事も分かったこともあるからね。」
♢
「なぁなぁ、最近天野さんとどうなんだよ?」
声を潜めて高野が聞いてくる。
「どうって何がだよ。」
「前までは仕事の話だけで最低限しか話さなかったじゃん?」
確かにそうだけれど、特に何も無いのに勘ぐってくるのは少し腹が立つ。
「んー…。なんでだろうね。」
本当に特に何も無いんだよな…。
「最近、お前なんか可愛くなったよな?」
「は?何それキモイんだけど?」
突拍子もない言葉に動揺する。
「いや、なんか女子っぽい感じと言うかなんというか…な?」
「な?って何がだよ…。キモいこと言ってんじゃねぇよ。」
笑いながら答えるも内心少し嬉しかったり…。
ただ、いずれはバレる、知られるという恐怖もあった。




