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男子辞めます。  作者: 安田 桜
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歪み


火曜日、溜まった仕事を思うと憂鬱になる。

本調子では無いが、僅かに残る頭痛と吐き気を引き摺り出社する。


「おい、三崎!もう大丈夫なのか?」


朝からでかい声。

高野に声をかけられる。


「本調子じゃないけど、何とかね…。」


「顔真っ青じゃんか…。」


まさか高野に心配されるとは。

どうやらひどい顔をしてるらしい。


「仕事も溜めたくないしな。」


「無理だけはするなよな。」


生返事をし自分の席に着く。

余程体調が悪く見えたのか皆に心配されるが、病気ではなくただの副作用のため罪悪感と鬱陶しさを感じる。


「三崎さん、本当に大丈夫?」


珍しく隣の天野さんが話しかけてくる。

普段は仕事の話程度しかしない仲だ。


「なんとか大丈夫だよ。」


精一杯の笑顔で返す。


「あんまり無理しないでくださいね…。」


「分かってるよ。」


あまり心配されると鬱陶しく感じる。

普段気にしない事にもイライラする。

精神的にも肉体的にも不調で家に着くなりそのままベッドに倒れ込んだ。

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