ノノとアカネ
ノノが扉を開けると狭い個室に一人の女性が立っていた。
女性の後ろには頑丈そう作られた赤と青の扉が2つあり、壁にはずらりと色々な武器がかけられていた。
「お待たせしました、私が今からあなたの審査委員を担当するアカネです、よろしくお願いします」
軽く頭を下げながら女性、アカネは言った。
アカネは現代で言う軍服のような服に腰には数本のナイフをぶら下げていた。
ノノも同じく頭を下げながらあいさつをした。
「よろしくお願いします」
「はい、それでは今からやる試験の内容なのですか、まずはじめにテストを受けてもらいその後、私と軽く手合わせをしてもらいます」
「テストを受けたあとアカネさんと戦うってことですか?」
「はい、といいましても実力を見るためのものなので模造武器を使って止めが入るまでとします」
「わかりました」
「それでは始めに青の扉に入ってテスト受けて下さい」
ノノはアカネに言われたとおり青の扉に入った。
入ると10個ほど机と椅子がありすでに他の席は人が座っていて残る席は一つしかなった。
ノノが空いた席に座りしばらくしてから、テストが始まった。
テストの内容はノノの感覚だと全て簡単に思えた、森でフォトンから学んだことばかりだったからだ。
やがてテストを終え青の扉をくぐり先ほどのアカネのいる部屋に戻ってきた。
「テストはどでした?」
「問題ないと思います」
「そうですか、では次に私と手合わせをしますが休憩はいりますか?」
「いえ、すぐにお願いします」
「分かりました、壁にかけてある好きな武器を使ってください準備ができましたら赤の扉に入ってください」
「あの、武器は幾つまで使って良いんですか?」
ノノの質問が意外だったのか、アカネは少しきょとんとしたあとに返事をした。
「えーと、いくつでもいいですけどいくつ使うつもりなんですか?」
「とりあえずこれとこれとこれと、これの4種類使いたいと思っています」
ノノがさしたのは剣、槍、斧、そして盾だった。
それを見てアカネは器用さをアピールしたいのだと思った。
「わかりました、それではその4つの武器の準備が終えたら赤の扉をくぐってきて下さい。私は先に行ってまっています」
そういうとアカネは赤の扉から部屋を出て行った。
■ ■ ■
アカネが扉から出るとそこは闘技場の場所になっていた。
周りを観客席が円型で囲み、出入り口が二つある。
実際、この場所の使われ方としては闘技場という表現であっている。
試験の時にはノノが今からやるように模擬試合が行われ、アカデミーではアカデミー内の試合が行われたりする。
そんな、闘技場の真ん中に一人の男が立っていた。
「どうだ、アカネ次のやつは面白みありそうか?」
「そうですね、少し変わった子だと思いましたよ。ノーヴァ」
ノーヴァと呼ばれた男性は今回アカネとノノの模擬試合を見届け、止めをいれる役割を持っている。
本当はノーヴァが審査をするはずだったのが諸事情によりアカネに変わっている。
「変わったやつ?俺の右腕をダメにしたようなやつか?それとももうちょっと前の魔力の量がとんでもないようなやつか?」
「いえ、魔力は平均化それよりしたくらいだと思います。私が言いたいのは…あ、来たようなので実際に見て下されれば私の言いたいことが分かると思いますよ」
「おう、楽しみにしてるぜ」
二人の会話が終わり、しばらくするとノノが入ってきた。




