ノノとフォトン
最悪の目覚めだった。
7年前の出来事を夢に見るのはこれで何度目だろうか。
「もう7年前もたつのか…」
先ほど見た夢を思い出すと頭が痛くなった。
汗だらけの服を着替えるためにノノはベットから降りると着替え始めた。
ノノが着替えていると部屋の扉が開き一人の女性が入ってきた。
「なんだ、起きていたのか。遅いから寝ているものかと思ったぞ」
「おはようございます、フォトンさん」
入ってきた女性の名前はフォトン・キャスタ。
緑の髪に緑の目している。その風貌から緑の魔女と呼ばれいる。
「なんだ、運動でもしていたのか?汗だくだぞ」
「いや、これは…嫌な夢を見ていて…」
「…そうか。朝食できているぞ」
そういうと、フォトンは部屋を出て行った。
ノノも着替え終わると朝食をとるため、食卓に向かった。
■ ■ ■
ノノは7年間、フォトンに拾われてフォトンが住む森の家で育てられた。
様々な知識を教えてもらい、日々の鍛錬を繰り返してきた。
全てはあの日ノノの全てを壊した勇者を倒す為だ。
そして今は久々にノノはフォトンに鍛錬をつけてもらっていた。
「はぁあ!!」
ノノがいきよいよく剣振りかざすが、フォトンが片手で剣を向けとめる。
すぐさま、ノノは剣を手放すと鋭い蹴りを入れる。
しかし、蹴りはフォトンの体をすり抜け当たった感覚がなかった。
しまった、と思いすぐさま背後に向けて肘打ちを打ち込もうとするが、それよりも先にノノに強い衝撃が走り吹っ飛ばされてしまいそのまま気絶してしまった。
「ふぅ、危なかった…まさか剣を手放して肉弾戦に切り替えてくるなんて…」
今、ノノが行った戦法はフォトンからしたら愚の行為と取れた。
魔術師相手に武器を捨てることはより相手のとの間合いつめないといけないことになる、しかしノノはあえて武器を捨て肉弾戦に切り替えた。まさか剣を手放してくるとは思わなかったフォトンは思わず緑魔術を使い後ろに回ったが、まさかの追い討ちの肘打ちが来た。
これにはフォントは思わず魔力をノノに打ち込み吹っ飛ばしてしまった。
「全く、こんな泥臭い戦法どこで覚えてんだか…、しかし…」
フォトンが一番驚いたところはノノの危機察知能力とその判断力だ。
自分の攻撃を食らわなかったと分かるとすぐに違う行動に移す力はなかなかすばらしいものだった。
「ただ、まぁ…もう少し守ることに力を入れて欲しいところではあるがな…」
そう言うとフォトンは魔術でノノ浮かせるとそのまま家へと連れ帰った。
ノノは今年で14歳になる来年には近くの国の学校につれてってやろうと、そのほうがノノ目的にも近づく、それまでは私がノノを育てよう。
そうフォトン・キャスタは胸に誓った。
■ ■ ■
その日の夜。
「ノノ、来年から近くの国のアストのアカデミーに行かないか?」
「アカデミーですか?」
「ああ、ここじゃ学べないことを学べるぞ、それに戦い方も教えてくれる」
「本当ですか!?行きたいです」
「そうか、それなら良かった。あそこには私の知り合いがいるからな、私からもよろしくと言っとくよ」
「はい、よろしくお願いします!!」
ノノが元気良く返事する様子を見て、フォトンは少し笑みを浮かべると知り合いに向けての手紙を書き始めた。




