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97.
彼は、ゆっくりと紙袋へと近寄った。
「慎重に…」
つぶやきながら、紙袋の端をちぎった。
ごくわずかにちぎっていくと、本体がやっと見えてきた。
赤外線によって捜査した通りの状態で、紙袋の底に座っていた。
「……これか」
マイクを通して、爆発物を発見したことを全員に知らせた。
「では、これからコードの切断に入る。今回は、わずかな振動が命取りになるため、ロボットは使えない。よって、俺がこれから手作業で切断を試みる」
そう言って、ニッパを手に持って、まずはじめに、基盤と水準器の間のコードを切断しようと、手を動かした。
ニッパをコードに近寄らせるのと同時に、マイクへと声を出す。
「では、これから切断作業を行う。何らかの異常が見つかった時点で、警報を発する。警報が発せられた場合は、速やかに現場より待避せよ」
そう言って、コードをニッパに挟ませて、目をつむって一気に切った。