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67.

畿内へと、轟大尉が捜査した内容はすぐに伝わった。

「これは、単なる貨物船じゃないな」

狩留艦長が言うと、すぐに新しい命令を出した。

「全船に告ぐ、貨物船と称していた宇宙船は、爆弾を積んでおり、明確に戦闘用のために利用されている船と認定する。よって、本貨物船を攻撃目標として新たに加える」


欧州連盟側もその話は全て聞いていて、すぐに作戦を練りなおした。

「量子コンピューターをここから爆撃するというのは無理があったんではないか」

航宙空母ロメ艦長のクローイン艦長は、幕僚と相談していた。

「しかしながら、すでに上が決めたことです。戦術的には影響がなくても、戦略的側面から見ると、極めて重要な意味を持ちます。いつ発射するのか、その全ての権限は艦長の手の中にあります」

「…すでに船の中はバレてしまっているのだな」

「ええ、走査されたことは確認済みです。ウブスナガミを利用し、隠されていたモノ全てを暴いた模様です」

「君なら、どのタイミングで撃つかね」

参謀長として、この相談に列席していた艦長のすぐ横に立っている人に聞く。

「すでに敵に判明している時点で、いつ撃ったとしても変わらないと思われます」

「なら、今使うしかないな。保管船へ通達せよ。今すぐ発射だ」


轟大尉が、狩留艦長からの命令によって、貨物船に狙いを定めると、貨物船の側面が割れ始めた。

「…なんだ」

そんなことに気も止めずに、ミサイルのロック作業を終了する。

ロックが正常に終了したことを示す、コックピット内の赤ランプが点灯すると、轟大尉が狩留艦長へ報告をする。

「狩留艦長、攻撃を始めます」

「許可する」

赤ランプを一回強く押すと、点滅を始めた。

その直後に、貨物船の中から、黒い大きなライフルの弾のような形をしたミサイルが飛び出してきた。

「なんだっ」

瞬時に推進システムが起動したようで、轟大尉が乗っている船のすぐそばを、亜音速で通り抜けていった。

大気圏外の為、衝撃波や音は聞こえてこなかったが、それでも、船はわずかに揺れていた。

ミサイルが発射されてから3秒後、オレンジ色の激しい光が、貨物船を包んだ。

「着弾確認し、敵貨物船を撃破しました」

轟大尉は、部隊長に報告をしてから、先ほど見たミサイルについての報告をした。


東京では、そのミサイルの進路について速やかに計算が行われた結果、月を目指していることが分かった。

「第1宇宙速度を越しておりますが、それ以後、推進を停止し、慣性飛行を続けています」

宇宙軍省内に設置されている宇宙軍参謀本部では、宇宙軍参謀中将、月面にいるため現在はテレビでの参加となっている月面中将、共通部隊から派遣されている調査中将、それに宇宙軍省大臣がひとつの部屋に集まって会議をしていた。

「いつごろ月に到着する計算だ」

「約3日ほどで。ただし、速力を増した場合は、さらに早く到着することになります」

「では、月面中将へ命ずる。月面県の知事に協力をし、迎撃の準備を整えよ。周囲50km以内に着弾の恐れがある場合は、速やかに迎撃を行え。本件については、本土からも応援部隊を送るが、間に合うかどうかは分からん」

「了解しました。月面県知事と協力し、県領土50km以内に着弾の恐れがある場合に備え、迎撃準備を整えます。前述の圏内に入りしだい、迎撃を行います」

「よろしく頼むぞ。今回は以上だ。閣議決定を行い次第、詳細の命令を送る」

大臣がそう言ってから、今回の参謀会議はお開きとなった。

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