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第53章 欧州諜報部
「部長、ロシアとの国境戦線から日本皇国へ向けて電信が発せられています」
窓明かりが燦々と降り注いでいる部屋で、金髪の青年が壮年期に差し掛かっていそうな人に報告をする。
「内容は」
「今のところは、数字と文字の羅列ですね」
その羅列がプリントされた紙を、上司が受け取る。
「えっと…「だき8だ4ぺむみぺゅびふつ0だぴぺとちろぺぁほだぴや」という内容か。とりあえず、暗号科へ回せ。日本皇国が一体何をし始めたかを知るんだ」
「分かりました」
部下にそう指示をすると、部長はどこかへ電話をかけた。
「はい、大統領閣下。我々は、日本皇国の無線を傍受することに成功しました」
その後、2分ほど電話をしていたが、電話を切ると近くにいた人を呼んで指示を出した。
「至急電、連盟各国へ。日本が何らかの行動を見せる模様、要警戒」
「分かりました、日本が何らかの行動をみせる模様、要警戒。至急電で連盟各国へ送信します」
部下が復唱をして駆け足で部屋から出ていくのを見て、部長は独り言を言っていた。
「…一体、日本軍は何をする気なんだ」