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39.

第35章 駐留軍会合


朝鮮半島は、再び南北へ緩やかに分離をしていた。

南側を支援している日本皇国、北側を応援している中国は、互いに戦争状態と突入した。

その結果、半島でも両軍がぶつかるという事態が発生していた。

「大本営が設置されたことをたった今、報告を受けた」

日本皇国駐留軍司令長官である角良由友(かくらよしとも)が軍幹部を集めて会合を開いていた。

「それは、本当ですか」

「ああ、軍務総省大臣より、直々にお電話があった。間違いない情報だ」

「我々を集めたのは、それだけではないと思いますが」

駐留海軍情報部部長が、角良に聞いた。

「勘が鋭いやつらは好きだぞ。その通りだ、実は、大本営を設置されたということからわかる通り、開戦の詔が発布された。相手は、我々のすぐ目の前にいる」

「…"北"ですか」

「そうだ。今回、戦争状態に入ったため、政府は、日本皇国全土に戒厳令を布告することで調整に入った。もう少しすれば、軍務総省から情報部を経由してこちらに第1種体制を敷く事を命ずる伝令が届く事になっている」

「全軍に布告するのは、いつになるでしょうか」

朝鮮半島に駐留している日本皇国軍は、陸軍を主体とし、海軍と空軍がいる。

大陸より軍が来るとすれば、陸軍が主体となるであろうという政府の考えから、陸軍を中心として構成することにしているのだ。

一方で、補給線を断たれないようにするため、対馬にある第11艦隊を輸送船の防護に当たらせていた。

それらすべてを合わせて、全軍と言うことになっていた。

「それは連絡が来てからすぐの予定だ。かといって、いつになるかはわからないが」

「軍務総省からは、どの暗号レベルで来るのですか」

「最高レベル…と、言いたいところなんだが、どうやら、敵方にも知らせるという計画らしい。レベル0で送信をしてくるという話だ」

日本、欧州、北米はそれぞれ独自の暗号を作成していた。

最高レベルにまでなれば、量子コンピューターがなければ解けないだろうといわれている。

そして、その量子コンピューターを持っている唯一の国こそが、日本だった。

だからこそ、日本の量子コンピューターであるウブスナガミをすぐにでも破壊しなければならないと、欧州側は考えていた。

そのような暗号ばかりを使っていれば、復号に時間がかかってしまうため、複数段階にレベル分けを行い、送信を実施するという形式をとっていた。

その最低レベルともいえる、原文そのままの通信形式が暗号レベル0だった。

「一般軍人や高級軍人にさえ、その場所を教えてくれない。そのようなものですよ。ウブスナガミは」

「ああ、俺もその場所を知らないんだ。だが、最高レベルの暗号はそのレベルじゃないと解けないといわれているという話さ。今回は計画もあることだし、ちょっと勘が鋭い人ならすぐに解けるようになっているらしい」

「じゃあ、自分たちにも…」

その話を聞いて、情報少将が司令官に聞いた。

「ああ、できるかもしれない。だが、その前に、俺たちはすでに解読表を持っているだろう。そっちを使ったほうがいいと思うんだが?」

「あ、それもそうですね」

そんな感じで、駐留軍の会合はまったりムードで進んだ。

まったりした空気が一転したのは、軍務総省から正式に通告が来た時だ。

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