エピローグ
それから、世界は大きく変わった。
まず、それぞれの国の力が大きく変わってしまった。
三極と言われた欧州連盟、北米条約連合、日本皇国から、欧州連盟が脱落。
代わりにロシア連邦があらたに三極と呼ばれるようになった。
国際連合は、発展的改組され、これから戦争が起きないように、一定の権限を持つようになった。
ただ、名前は変わらず、国際連合のままである。
中国共産党が武装解除されて以来、各地の軍閥ごとに覇権争いが激化。
それぞれの軍閥で秘かに作っていた武器を手にして、今や内乱となっている。
内乱に伴う難民は、特に陸伝いにロシアや、満州国、モンゴル地域に逃げていった。
それぞれの国の中でバラック街を形成し、今や巨大なスラム街と化している。
ただ、秩序はあるため、多少のけんかや麻薬の密売はあるが、暴動は今のところ起こっていない。
欧州連盟の各地にいる王室、公室などの世俗的君主は、イギリス王室を中心としてまとまることに成功した。
ローマ教皇は、キリスト教徒の精神的支柱として、神聖君主として存続している。
戦争が終わったことによって、貿易が復活し、世界中の資源のやり取りが再び活発になった。
それは、各地に街を創り、船が作られ、飛行機が空を飛び、平和が訪れた。
月面においては、協定が結ばれて、いかなる火器の侵入も許されないこととなった。
すでに結ばれていた協定よりも、一段と強い拘束力を持つように、条約として、欧州連盟、北米条約連合、日本皇国の間、および今後宇宙開発を進める予定である全ての国が結んだ。
つまり、内乱状態になっている中国共産党以外の全ての国である。
世界は、平和になった。
だが、次の戦争は必ずやってくる。
人類がその時、どのような選択をするのか、それは誰にも分からない。