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それから、翌日には欧州連盟による代表者が、さらに、会議は紛糾したが中国とインドからも使者が、会合場所へ集結した。
「みなさま、お待ちしておりました」
出迎えたのは、駐エジプト日本皇国大使である鈴原楓だった。
「どうも。この度は」
「詳しいのは中で」
中国からの使者が何か続けて言おうとしたのを遮って、鈴原が建物の中に案内する。
会場では、すでに資料が配布されている。
長テーブルには、北米条約連合の全権委員が、もう席について待ち構えていた。
「やあ皆さま。お待ちしておりました。どうぞ席へお座りになられて」
第1種軍装の人が、彼らに書類を見せる。
「ただいまは休戦中と言うこともあり、平和条約についての会合となることをご留意ください」
上座に座っているのは、中立を宣言して、今回の停戦条約の仲介役を務めるエジプトの内務省大臣が話している。
「御着席いただけませんでしょうか。話は、それからということで」
大臣に勧められると、それぞれの使者や大使は静かに席に就いた。