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113.

東京では、その戦果に盛り上がっていた。

「露欧戦線では、進撃が急激に止まり、統制が取れていない状態が続いています。首脳陣が一挙に消滅そたことによる戦況の混乱は、しばらく続く見込みです。また、精密爆撃の話があちこちで聞かれており、露満国境においては、戦線が崩壊しています。次は自分のところだという恐れによる士気の低下は、留まるところを知りません」

軍務総省大臣が閣議において報告している。

「そろそろ休戦を考えるべきだろうな。アメリカがどうでるか、それが一番の気がかりだ」

首相が静かな閣議室に、声を放つ。

「北米条約連合大使との協議によりますと、現状では、ヨーロッパの統治権を要求しかねない状態です。それがダメであるならば、少なくても国際連合において、常任理事国の地位を、ロシア、北米条約、日本、アフリカ、アジア連盟にすべきであると」

「……北米条約はまだ戦争したりないという感じだな。だが、ここまでであろう」

外務大臣の報告を聞いた上で、首相は決断した。


その話はすぐに北米条約連合大統領へとつながった。

「そう、日本の首相が…」

マーガレット大統領は、赤縁のレンズが厚いメガネを静かに机に置いて、報告してきた参謀総長へ聞いた。

「彼らはどんな条件を?」

「はい、閣下。一つ、戦闘の即時かつ連続した停止。一つ、終戦についての会合。一つ、無期限の武装解除。一つ、捕虜の解放並びに交換。以上です。また、日本皇国は会合場所を中立国であり、交通が便利な地として、アレクサンドリアを指定してきました。いかがいたしますか」

「いくしかあるまい。全権委員を指名せねばなるまい。だれが良いであろうか」

参謀総長をじっと見るその目には、期待に満ちたものがあった。

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