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106.
敵機を見つけた赤根准尉は、すぐに上へと進む。
「よしっ」
一人でガッツポーズをとりながら、相手機の後ろを取る。
タタタッと心地いいリズムで、機銃を撃つと、まるで吸い寄せられるように当たっていく。
相手は、錐もみ飛行で、地面へと墜ちていく。
「まずは一機!」
誰も聞こえてはいないが、言わずにはおれない。
機銃は、30mmのを採用しているが、相互に防御が高くなっているため、一発で撃墜されると言うことはない。
だが、それが数発続くと、撃墜されることは避けられない。
空対空ミサイルは、ジャミングの影響でまっすぐにしか飛ぶことができず、誘導が不可能となっている。
そのため、あらかじめ外されている。
「では、次だな」
赤根准尉はそれから、次の敵の航空機に目をつけた。
すでに、僚機も何機か撃ち落としていた。