105/117
104.
「よろしい、では、戦闘を開始せよ」
アロイス中将が、全軍に対して指令を出した。
それは、空軍と宇宙軍が連携して進撃を行うのとほぼ同時である。
いつの世も、占領を行うのは陸軍や海兵隊の仕事だ。
だが、占領をするためには、攻撃を受けないようにしなければならない。
そのために、空軍や海軍、宇宙軍という頼もしい仲間が、いるのだ。
中将は、そのために安心感を持ちながら、進撃を再開した。
「スピードはどうしますか」
「3分の2全速だ」
パンス少将がそれを復唱して、伝令が全車両へと伝える。
そして、わずかな時間差で、戦車は速度をあげて、一路モスクワを目指して駆けだした。