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三九劇目 「最終戦線幹部”巨満児”ブーチャカ!?”囚われた街”の看守長」

”囚われた街”編スタートです。

リリラルはネコ耳をピンとさせて、驚いたような声を出した。

するとアスカがブルマのゴムをパチンとさせて、二度三度頷いた。

「私も知っているのだ。当時6歳の貴君は、今リリラル達が隠れているあの劇場を超満員にしたとか。その時に歌ったグレゴリオ聖歌は天界にまで届き、曇っていた空が割れ、貴君の立っていた場所にだけ『晴れ間が覗いた』と新聞の一面に載っていたのだ」

「ニャニャ。あの歌姫セルフィス様も、『数年もすれば自分など簡単に抜かれてしまうだろう』とベタ褒めしていたニャ!!」

二人の感嘆に、照れたような仕草で頭を掻くその男の子、チコ。

「だから僕は歌を歌って、アイツを楽しませなくちゃいけないんだ。そう、あのクソ野郎を・・・」

チコが突然顔を緊張させた。

「クソ野郎。アイツって誰?」

「ブーチャカのヤツさ」




「“巨満児”ブーチャカ。命令通りに動く僕らに不備がないか見張る、この“囚われの街”の看守長で“最終戦線ラストライン”の幹部だよ。僕らみたいな奴隷が居ないと、最終戦線もただのギルドだからね。逃げられたら困るんだよ。だから奴らにとって、僕らは囚人と同じさ。胸の石の確認や脱走者の相互監視をする為に班に分けられてて、誰かが問題を起こせば、連帯責任さ。絶対に逃げられないような『仕組み』が出来てるんだって皆言ってる。体に赤い石が入っているキョーセーロードーの仲間達は、ブーチャカには絶対に逆らえないんだ」

そこで俺は、ずっと感じていた違和感に気付いた。

「でも、チコはその事実を俺らに言って良いのか?」

猩々緋煌石ルビーで制御されているなら、こんな事を外部の人間に助けを乞うような事は出来なさそうだ、雰囲気的に。

「僕はゴラクテーキョーだからね。お歌も歌うし、力で抵抗できないから、赤い石は埋め込まれていないんだ」

「うにゃにゃ〜、だからあの人たちとは違うニャか〜」

リリラルは耳をクニャっとさせて、その“囚われの街”の方へと目をやった。

それは強制労働を課せられた“猩々緋煌石”を埋め込まれた人々だろう。

決められた物を、決められた分だけ、決められた場所に移動させたり、脇目も振らずに何かの雑用作業をしている。



それはゼンマイ人形か、メリーゴーランドの馬のようだった。



かなり強力な猩々緋煌石によって、彼らは労働を強いられているらしい。

「やはり、スク水死霊魔術師ネクロマンサー。只者ではないな・・・」

俺が訝しみながらそう言うと、一同も眉間に皺を寄せたり、頷いたりと、賛同の意を表した。

巨漢児か巨満児か迷う・・・。



次回は”天声”チコのコンサート、街の中に入ります。

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