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三六劇目 「片翼天女の実力公開??第三言語×B級スキル>S級!?その2」

マリアベルVS格闘熊の決着がつきます。

「熊さーん。遊ぼうナリ〜♪」

「ぐるぉぉぉぉぉ」

熊は後ろ足を肩幅に開くと、自分とベルの結ぶように直線を思い描きながら、その線に足を乗せ、半身になり身構える。しっかりと腰を落とし、自分の利き手を前にしてしっかりと拳を握り込む。前に出した肘と拳の線が地面と垂直になっているのを確認すると、利き手とは逆の後ろに引いた拳をその肘のあたりに置き、上半身の隙を潰す。



いや、作者おまえ、真面目に描写ナレーションさすなよ。

ファンタジーだぞ、これ。



「あれは、八極拳の構え。外熊ニャ」



俺に拒否られたからって、リリラルに開設させるんじゃないよ。

大体何で、異世界で中国拳法があるの?

なんでそんなに好都合なの?バカなの?



俺は格闘熊モブキャラに、ガチになってきた作者アイツに、主人公としてツッコミを入れた。


閑話休題。



「&@$&**$##%^&&$!」

ベルが聞きなれない言葉を紡ぐ。



第三言語だ。



ベルが肩から腰にかけて、忍者のように背中に背負っていた大きなビビットピンクのジュリ扇を手にした。そして子供の背丈、大体リリラルの身長と同じくらいのそれを勢い良く広げる。手を交差させて、鮮やかにポーズを取った。

白い片翼とは別に、もう一つ翼が生えたような印象を受ける。

そしてそのジュリ扇を、格闘熊に向かって一度扇いだ。



ファンッ!!!!

ブォォォォォォアアアアアアアアアンンンン!!!!!!!!!!



「え?」

俺は思わず声を出した。




それは軽く煽いだはずだったのに、格闘熊にぶつかる距離で、その風圧が豹変したからだ。ベルの目の前では、間違いなくそよ風だった。しかしその程度の風が、弱まるどころか距離を行くほどに強まって行ったのだ。

そして巨大な風の玉になって、格闘熊に直撃。

格闘熊はそれをギリギリで受け止める。しっかりとした防御、攻撃の衝撃を最小限にする構えは、さすが数種類の武術を極めたと言える。

見た目も美しく、完璧な防御だった。

「ぐわるるるるるる・・・」

そして改めて正眼の構えをする。

「ぐる?」

「え?」

「はにゃにゃ?」

「・・・・・・びっくり」

「な、な!!」



今度は俺だけでなく、一同が声を出した。

それはベルが、いつの間にか格闘熊の背後にいたからだった。

以前“雷皇”の異名を持つマリアが、自分の筋肉に電流を送り電光石火で動いたことがあった。が、ベルがしたのは別物だろう。

その証拠に彼女の片翼は、消えた時と出てきた時で特に機敏な動きをしてはいないのだ。

断続的な録画のコマを一つ削除したような、不自然な“消失”と“出現”。

しかも彼女はその時に何か第三言語を口にした様子はなかった。

これが彼女のスキル。

きっと瞬間移動の類だろう。

「@$%%^^^%$##@!!@@#¥」

そして格闘熊の背後を取ると、今度はジュリ扇を畳む。

するとその扇を両手で持ち体の右側一杯に大きく反動をつける。

そしと「えーーーーーーい♪」という掛け声と共に、左の方へ振り抜いた。

まるで小さな女の子が、金属バットをどうにか振ろうとするかのようだった。



そんな重いの?



「ぐるぅぅぅう?」

その声で背後を取られた事に気づいた格闘熊が、踵を返してベルと相対する。

が。

一歩遅かった。

ベルが、そのジュリ扇を振り終わった刹那。



ズバンッ!!!



と切れ味の良い音が、辺りに響いたのだ。



決してジュリ扇が当たったわけではない。

格闘熊とベルの間には、相当の間合いが取れていた。

しかし彼女がそのド派手なピンク色の扇を振ると、斬撃が放たれた音が周囲に響いたのだ。

そして俺は格闘熊の胸元を横断するように、残光が走ったのを見逃さなかった。



「ぐろおおおおおおおおおおおおおおおおん」

格闘熊はその巨体を大地に打ちつけ倒れると、その身を灰にさせた。



そしてベルは、俺らの方を振り返り「どう?合格?」と肩を竦めた。

次回は、ギルドや勢力図などの設定集を差し込みます。

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