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gentle love  作者: 朱希
アメリカ編
5/33

second day-1-

さあ行こう





新しい世界が






君を待っているから







gentle love










やはり最初に無理にでも離しておくべきだった。










香南が後悔したのは朝食後部屋へ帰ってきたときだった。

部屋の前でレオンが一人で待ち伏せていた。

「Hi!Why don't you go together!」

「Leon?」

レオンは嬉しそうにこちらに向かってきて双子も近付こうとする。

しかし香南は手で双子を抑える。

「「にーちゃん…?」」

「香南さ…」

「No」

強くはっきりと香南はレオンに伝える。

しかしレオンも反論する。

「I don't say you」

「No,Leon.We will not take you.Tell me your room number.」

「Why?」

「Now」

部屋の番号を聞く理由なんて一つしかない。

もはや話す必要はないと睨むように言う香南に睨み返すレオン。

双子もこんなに怒った香南を見たことがないため七海にひっついていた。

「ななちゃ、」

「レオンくんの両親心配するでしょう?一人でこんなところに来て。香南さんが説得してるから大人しくしてようね」

「う、うん」

一向に口を割ろうとしないレオン。しかし後ろからの足音に気付きしまったというような顔をする。

七海も足音の方に顔を向けると昨日レオンの傍にいた人たちが走ってきた。

「Leon!」

ばつがわるそうにレオンは下を向く。

傍にいた人たちはドイツ語でレオンに話しかける。口調からして大分怒っている様子だった。

そして香南の方を向く。

「Sorry,Mr.He made you trouble. 」

迷惑をかけてすまなかったと謝ってくるが香南の態度は一層怖いオーラを発する。

手を組み言葉を発する。

「…Get out if you think so.」

「Kanan!」

「Now!」

香南が伝えると悔しそうな顔をしたレオンを引き連れ去って行った。





まただ、また、あの悲しい顔






七海たちは何も言えず呆然としているだけだった。

香南は一息吐くと七海たちの方を向き双子たちに目線を合わせるように膝を折る。

「悪かったな。けど、あいつを連れていくわけにはいかないんだ。あいつも家族が心配しているだろ?」

「「う、うん…」」

「さ、早く行かねえと行きたいアトラクションまわれねえぞ?」

「えっいやだっ!!」

「ぼくは別に…」

「るいも今日は乗るんだろ?!」

「え?!」

初耳だと言う様に瑠唯は絶望した顔で美羽を見つめる。

「ぼ、ぼくのらな…」

「え?!のんねーの!?」

残念そうな顔をする美羽の手を瑠唯は首を横に振りながら握る。

「そういう、顔しても、のらないっ!」

「ちぇ~」

「こ~ら。瑠唯かわいそうでしょ?絶叫系のアトラクションには?」

「…男でも女でもこわがる人を無理にはさそわない」

「うん大正解!良い子の美羽のために特別お土産好きなもの一つ、買ってあげます。さ、お部屋入って準備しよ!」

「わーい!!やりい!早く準備しようぜ!」

「待ってよ、みう!」










双子に気にしている節があったものの、テーマパークまで来ると全く気にならなくなったようだった。

そこは日本にあるものより広いテーマパークがあった。

今日来たテーマパークは映画をモチーフにしたものだった。

中へ入り早速チェックしといたアトラクションへ向かう。

「にーちゃんこれ!」

「これ、日本のネズミーにもなかったか?」

「ここの日本のよりもこわいんだって!」

「ひい!」

アトラクションを見上げながらキラキラした笑顔で美羽が話す。

こわい発言に七海の後ろに涙目で隠れる瑠唯。

七海はそんな瑠唯の頭を優しく撫でる。

「瑠唯はここでななちゃんとお留守番。」

「う、ん!」

「にーちゃーん!はやくー!」

「わかったわかった。じゃあなな、瑠唯をよろしくな。」

「わかりました!さあ、瑠唯隣のアトラクションにいこっか。シューティングゲームだって。」

「うん!」

瑠唯と美羽のこの違いによって東京でも絶叫系は香南チーム、パレードやお土産、あまり怖くないアトラクションは七海チームと決まっていた。

アメリカではあまりはぐれない様にちゃんと待ち合わせ場所を決め、絶叫系の待ち時間に合わせて行動することにしていた。

1時間後、シューティングゲームを終えた瑠唯たちが少し待っていると美羽と香南が帰ってきた。

「おかえり!」

「どうでした?」

七海の言葉に美羽が苦笑いをする。

「う、うん、まあ、こわくなかったぞ!」

「…アトラクション内の写真記念に買ってきた。なな、見るか?」

「あっにーちゃんだめ!」

意地悪そうな顔で七海に見せようとする香南を必死に抑える美羽。

「ぼくにも、だめ?」

「だっだめだ!にーちゃん!これは男同士のヒミツだぞ!」

「クスッわかったよ。」

頭を撫でてあげるとおさまったようで次のアトラクションへ行こうと手を引っ張ってきた。







映画がテーマになっているからかショーのアトラクションが多く、瑠唯も楽しんでいる様子だった。

また他の絶叫系はファストパスを有効に利用したくさん乗れるだけ乗った。

グリーティングでは日本では普通は出てくれないキャラクターたちが出てきてくれていた。

「かっ、香南さん!!みっみっ見てください!!ラプンツェル姫がグリーティングしてます!!」

ネズミー映画は毎回映画館に見に行っている七海にとってキャラクターは知っているも当然だった。

あまり乗り物も乗らない七海にとってこういうグリーティングの方が好きなのだ。

興奮している七海に袖をひっぱられ香南もそこを見る。

「最近のプリンセスだからか、人気があるみてえだな。」

「い、行ってもいいでしょうか?!」

気持ちが止まらないのか既にサイン帳を出していた。

「ななちゃんサインもらいにいこ!」

「いい??」

「うん!らぷんつぇる!」

「ああ。写真一緒に撮ってもらおう。」

4人はラプンツェルの方へ駆け出す。そして4人の番になり七海は早速サイン帳を出す。

「please write your sign」

「OK.what you're name?」

「Nanami!」

「Nanami,good name.」

「Thank you」

えへへと照れながらサイン帳を受け取る七海。

双子にも声をかけてくれ双子も一生懸命英語を使っていた。

最初は香南が写真を取ろうとしていたのだが、後ろにいたスタッフに撮ってもらえた。

また家族の写真が一枚、一枚と増えていった。








気づけば夜、閉るより少し早く七海たちはパークを出た。

ここでしか買えないお土産を買い、夜ご飯も済ませホテルへ戻った。

一日中はしゃいだ双子は今日もシャワーを浴びるとそうそうに寝てしまった。

そして香南と七海もそうそうにベッドに入る。

「明日も、楽しみ、ですね」

「そうだな。」

「いっぱい…しゃし…とって…わらって…」

七海もたくさん走って疲れたのか話しているうちに寝てしまった。

香南が頭を撫でてやるととても嬉しそうに笑う。

香南もそれを見て思わず笑みがこぼれる。







自分はなんて幸せなんだろう







こんな日が来るなんて思いもよらなかった。

自分の人生は絶望だらけで光など見えないそう思っていた。

笑顔であふれ、笑い、時に泣く人生なんて想像もしていなかった。

胸いっぱいの気持ちに深呼吸をし七海のおでこにキスを送ると香南もゆっくりと目を閉じた。

活動日記に久々のおまけ載せます。



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これからもよろしくお願いします!

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