表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
gentle love  作者: 朱希
模索編
32/33

neun

太陽のように輝く君は







負けてはいけない







その輝きを







絶やしてはいけない






gentle love







感動に浸りながらホテルに戻った一行。

「ななみはゆっくやすんでください!」

部屋についた途端七海はレオンにソファに座らされる。

苦笑しながらもいつもよりも歩いた距離が長いせいか疲れが溜まっていたためお言葉に甘えた。

レオンがお茶の準備を始める中、双子たちは悩んでいた。

「食事にはちょっと早い時間だしどうする?」

「えっと…」

時計を見ると確かに夕ご飯を食べるにはまだ少し早い時間だった。

「俺さ!ロビー探検してみてーんだけど!」

「こらっ美羽!中学生にもなって…」

「だってさ、ななちゃん、こんなすげーでかいホテル泊まったことないんだぜ?!なんかお店とかも入ってるし外装綺麗だし、」

「たしかに…」

日本にはないホテルの雰囲気、外装、それに双子たちは興味津々であった。

七海が止めようとするとお茶の準備が終わったレオンがソファの前の机にお茶を置く。

「みう!おれとのやくそく、しましょう!」

約束の言葉に美羽は目を細める。

「約束?」

「はい!おれと、テニスのしあいをしましょう。」

それはそれはとても綺麗な笑顔で言葉を口にした。











ホテルの室内にテニス場があるのも美羽は知っていた。

しかし見ない振りをしていたのだ。

そうしないと、何かが戻れない気がしていた。

「なあ、レオン俺テニスはもう…」

「Ah…Grass courtのほうがいいですか?ここはへやのなかなのでhard courtです」

「そうじゃなくて。」

テニスコートまでの道すがら美羽は必死にレオンを止めていた。

どおりで動きやすい服装で行くように朝レオンが自分たちに再三言っていたわけだと美羽は後悔した。

瑠唯もハラハラしながら後ろについてきている。

「Rachetですか?しんぱいいらない!みうからきいた。みうのつかうRachet。おなじRachetつくりました。」

「へ?!」

驚いているうちにテニス場に到着してしまった。

そしてレオンはSPにテニスバッグを渡してもらい中を開ける。

すると美羽がいつも使っているものと全く一緒のものが出てきた。

「はい。Stringsもみて。」

「俺は…」

「はい。」

無理やり渡され、美羽は確認をする。

たしかに使われている素材、細さは同じだった。そしてガットをぎゅっと握る。おそらく、いやテンションも同じである。

「すげえ…」

「ふふっ」

レオンはとても嬉しそうにコートへ向かう。

「tennisをしましょう!」

「レオン…」

「はやく」

「だから俺!」

止められない心。美羽は叫ぶ。

「もうテニスはしない!もう、いやなんだ。どうしたらいいか、わかんねえんだよ!」

ふとテニスラケットを見やる。







こんなものがあるから。

俺の心は







「けれどみうはtennisすきでしょう?」

美羽ははっと息を呑む。

「みうはつらいことtennisをすることですか?ちがう。ぜったいちがう。なぜならtennisをしているみうはとてもうつくしい。とてもかっこいい!だからおれはみうとtennisをしたい」

レオンはじっと美羽を見つめる。

美羽は今までのテニスの日々を思い出していた。

両手にまめができるまで素振りをした日々。

少しでもフォームが違うとコーチに怒鳴られた。

悔しいと毎日居残りをして言われた指示の2倍練習した。

すると少しずつ、ほんの少しずつであるが言われているフォームの重要性がわかるような気がした。

ボールの動く場所がわかるようになってきた。

そうなるとそう、あれだけ瑠唯のため、家族のためだと思っていたテニスを好きになってしまった。楽しいと思ってしまうようになってしまったのだ。

何かが戻れなくなる。それは”テニスが好きな気持ち”を抑えていることからの開放を意味していた。

けどそれは…家族を裏切ることになるのではないのか。

「俺は…だってそうしねえと…」

「美羽、」

瑠唯が横からラケットを持った手をぎゅっと握る

「僕はね、僕も美羽がテニスしているの、凄く、大好きなんだ。」

「瑠唯…」

「美羽の試合を見ていると、わくわく、する。たくさん動いて、笑顔でボールを追いかける美羽を、見ていると、僕も元気が、出るんだ。」

「…」

「美羽、きっと僕や、ななちゃんたちのためにいろんなこと、考えてるんだよね?なら、いいんだよ?美羽は、美羽のしたことを、したらいい。」

「瑠唯…」

瑠唯は美羽の頬を手で押さえ自分のほうへ顔を向ける。

「テニス、絶対やめないで。」








瑠唯の手に一粒、二粒の涙がこぼれ出す。









「ああ。…うん。わかった。」









シャツで涙をぬぐう。








「レオン、ぜってえまけねえ!」








その目にもう迷いはなかった。

テニスの話のところの英語豆知識

grass court=芝生のコート

hard court=コンクリとか通常の練習場とかのコート

Stringsストリング=ガットとも言われたりする。ラケットに張られている糸

テンション=ストリングを張るときの引っ張る力のこと。これによって打ちやすさがぜんぜん違うらしいです。


もっと詳しく知りたい方は是非是非お調べください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ