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gentle love  作者: 朱希
模索編
30/33

Sieben

あの輝きに惚れたのだ





何にも負けないような凛とした瞳に





あの輝きに導かれたのだ





この運命に







gentle love








夜ご飯はレオンも一緒にホテルの部屋でとった。

メニューはドイツ料理で集められており、オニオンスープの一種ツヴィーベルズッペから始まり、メインディッシュはさまざまなソーセージを堪能でき、デザートにはアイアシェッケと呼ばれるいわゆるベイクドチーズケーキが出てきた。

レオンの料理についての解説を聞きながら3人はおいしいおいしいとひたすら食べた。

移動もあったからか食べ終えた途端に双子の瞼が落ちつつあった。

ベッドへ移動するように促しメインルームにはレオンと七海のみとなった。

「レオン本当にありがとう。」

「No!気にしないでください。俺もずっと会いたかったから。ほんとうです。ほんとうに…」

穏やかな顔を見せるレオンは本当に双子や七海のことを大事にしてくれているようでそれが七海にはうれしかった。

「レオンは今学校お休みなの?」

「はい!Ah…夏休みではありません。けれど長い休みです。」

「へえ、うらやましいな。」

「とんでもない!テストがありますから!」

思い出したかのように頭を抱えるレオン。やはり子供なんだなと笑っているとレオンもくすりと苦笑いをした。

「カナンはげんきですか?」

「あー…」

途端に七海が今度は苦笑いをする。

「元気だよ。けれど…」

七海はおなかをさすると意を決したようにレオンのほうを向く。

「レオン、私人を探したいの。」

「人を?だれ?」

七海の真剣な顔を見てレオンも真剣な目つきになる。しかし、突然人を探したいといわれても何のことか皆目見当もつかない。

「香南さん…香南さんのお父さんです。」

「え?」

驚いた顔をするレオンに七海は苦笑した。

「香南さんのお父さんはドイツ人なんです。それでいてお金持ちみたいで…私どうしてもお話したいんです。この子のためにも…」

そうしてお腹をもう一度さすると流石に気づいたのかレオンの目線が七海のお腹に向かう。

「なな、み…?」

「レオン、協力してくれないかな?」

レオンは一度息を吐くと考え込み始めた。

「…ななみ、そのはなしは少し…かんがえてもいいですか?俺は…」

「大丈夫。」

いつまでかかるかわからない。しかしこれは七海にとっても、香南にとってもしなければならないと重要なことのように感じていた。




香南に本当の家族を知ってもらわないと、家族に香南さんのことを知ってもらわないと。




そう考え七海はドイツまで家出をしたのだ。

レオンはOKとつぶやくとお腹を見ながらポツリとつぶやく

「ななみ…おなか、さわってもいいですか?」

「え?」

「ななみのおなか、えーと、こどもがいるんですね?えーと、しんじられない。」

七海のお腹がまだへこんでいるから実感がないのだろう。

それは七海だって同じだ。くすりと笑うとレオンを隣へ呼びレオンの手をお腹へ持ってきた

「どう?」

「AH…?うー…こどもいますか?」

いまだに信じられないのか不思議そうにつぶやいた。

その言葉があまりにいないようにつぶやくので七海は思わず笑ってしまった。











「うっわー…なんだこれ…」

「す、ごい…」

ロマンチック街道をめぐるたびの終着点、ノイシュヴァンシュタイン城までやってきた一行はあまりの美しさに声も出せずにいた。

ツアーに参加しなければ城の中には入れないということでそのツアー券の発売されているホーエンシュヴァンガウから歩いているところだった。

「ななみはネズミーランドが好きです、ね。ネズミーランドの城はノイシュヴァンシュタインをモデルにしています」

「えっそうなの?!」

「似ていますよね?」

ニコニコといたずらが成功したような笑みで解説をするレオンに七海は確かに…と頷いて見せた。

「ななみ、げんきですか?どこかいたくないですか?」

「ああ、大丈夫よ。ありがとう」

「そうですか。もしいたくなったら、えーと、ぐあいがわるくなったら言ってください」

昨日の話し合いが終わってからレオンは何事も七海を心配するようになった。

ドイツについてからは空気がいいからかあまり体調が悪くならないため心配することもないのだがそれでもあれこれと世話を焼いてきた。




もし香南さんだったらもっと心配しちゃうのかな




くすりと笑うもののそれは一瞬で、すぐに現実に戻される。

今はその彼もいないのだ。そしてこれからも…

それを振り切るように首を振ると唐突に低いハスキーボイスの声がかかってきた。

「お嬢さん、一人ですか?」

とても流暢な日本語に日本人かと振り向くとなんと金髪に肌が白い男性だった。

「え…」

「日本語を話していたので思わず話しかけてしまいました。にんじゃ!ふじさん!やまとなでしこ!日本は良い!」

七海の髪の毛を触りながら話しかけてくる男性に思わず苦笑いをする七海。

日本人から見て西洋人のほうが美しく感じる。美しい金髪、瞳はサングラスで隠れていてわからないがおそらく美しい緑色や青色をしているのだろう。

しかし、こんな怪しい男性を相手にしている場合ではない。七海は今迷子になってしまったのだ。

「私今知り合いと会うために向かっているんです。」

「わかります。日本人は一人で旅をする人は少ないですからね。ツアーを好みます。集団行動を好みます。うん。非常に面白い人種だ。」

うんうん、と頷いているがまるで話を聞いていない。

「あの!」

「私もその人種に魅了されたある意味幸運で憐れな男の一人さ。お嬢さん、君も変な男につかまらないようにしないね。」

髪の毛にキスをされるがそれどころではない。

話も聞いてくれない人に何を言われても聞く必要もないし第一…

「お言葉ですが、私にはすでにとても素敵な殿方がいます。誰にも勝てないくらいかっこいいんです。だからそのアドバイスは必要ありません。」

髪の毛を触る手を振り払う。

「日本の女をなめないでください。」

一礼すると城のほうへ七海は進む。こんな危ない人の近くにはもういたくもない、そう行動で示すように。






「Sie sind doch interessante Rennen. 」

男性はそうニヤリと笑いながら呟くと颯爽と城とは反対方向へと歩いていった。

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