異世界に転生しちゃったよ…そんな事よりピザが食べたい
唐突に、ピザが食べたくなりました。
ふいに、転生した事に気付いた。
それは、朝食にパンを食べている時に、ピザが食べたいと思ったからだ。
ピザって何だろう?
ずっと考えていたら思い出した。
私は、某チェーン店でアルバイトしていて、ピザを作っていた。
思い出したらピザが食べたい。
普通のパンにピザソースつけて…ピザソースって何でできてるっけ?
材料あるかな?
トマト、玉ねぎ、ニンニクあたりかな?
オリーブオイルいる?
オリーブオイルは、上から掛けるから、とりあえず必要だな。
あとチーズ
あとバジル
これでマルゲリータができる。
10才の子どもが突然そんな事を言ったら、驚かれるな…
言い訳を考えよう…
本で読んだとか?
…異世界転生したのかな?
私、今流行りの悪役令嬢とかじゃないよね?
名前聞いた事ないから大丈夫かな?
モブかな?
そんな事よりピザが食べたい。
勉強した後に、厨房へ行く。
料理長に
「本で読んだんだけどね」
と言って紙に書いた、ピザソースの材料と、パン生地をピザ生地にしたなんちゃってピザの説明を料理長に渡した。
「分量は分からないけど、美味しそうだったから、食べてみたくて」
私のおねだりは功を奏して、料理長が試作品を作ってくれる事になった。
午後のお茶の時間に、試作品を出してくれると料理長が言ってくれたので、安心して部屋に戻り、勉強を再開した。
料理長は、がんばってくれた。
私の雑な説明に、ピザに近い物を作ってくれた。どう見てもマルゲリータです。ありがとうございます。
一口食べた。
「美味しい!」
ピザソースは改良が必要かもしれないが、近い味になっている。
いやもうこれで良いよ。
これで好きなだけ、ピザが食べられる!!!
心の中で小躍りして喜んでいると、兄様がやってきた。
「良い匂いがしたから来たけど、美味しそうだね」
「兄様!兄様も食べてみてください!本で読んたピザというものを、料理長に再現してもらいました!」
兄様に座ってもらい、1切れ皿に乗せ渡した。
「美味しい!」
兄様がもう1切れ…と言ったので、食べてもらった。
「父上や母上にもあげよう…と思ったけど、まだ食べたいなぁ…」
すると、料理長が
「材料はまだありますので、作れますよ」
と言った。
「なら、父上と母上にも新しく作って食べさせて。皆も食べて良いよ。私は夜食に食べたい」
兄様は、よほど気に入ったらしい。
「かしこまりました」
料理長が言うと兄様は喜んだ。
結局、兄様は5切れ食べた。
私は3切れ食べた。
もっと食べたいが、お腹いっぱいになった。
私はまた明日に作ってもらおうかな。
あとは、パン生地じゃなくて、ピザ生地を作ってもらおう。
料理長に、うろ覚えのピザ生地の作り方を紙に書いて渡した。
薄力粉と砂糖と塩を混ぜて、お湯を入れて混ぜて、寝かせる。
ピザを食べた両親も、美味しいと言った。
私は思い付きで、領地の特産品にしよう、と両親と兄様に言ったら、賛成された。
領地の屋敷の料理長に来てもらい、ピザの作り方を教え、領地で広めて貰うことにした。
料理長は、またがんばって、良い感じのピザ生地を作ってくれた。
料理長には、ボーナスをあげてほしい。天才だ。
この国の第2王子は兄様と同級生。
兄様が、学園にお弁当としてピザを持って行ったら、興味を持たれた。
そして、王子が家に来た。
ピザを食べたいと言われて、料理長が作る。
その時には、マルゲリータの他に、チーズピザと、ピザソースにスライスオニオンとベーコンとチーズを乗せたピザを考えていたので、試作品として作ってもらった。
ベーコンは、領地で作っていたから、領地の食材を使おうと考えたのだ。
と言ったら、父様が感動していた。
ピザを食べた兄様も喜んだが、王子も喜んでいた。
作り方を教えてほしいと王子に言われたが、領地の特産品にしたい、と、私は言った。
また、父様が感動していた。
「それなら、またここに食べに来るよ」
王子は、ニヤリと笑って言った。
領地の屋敷の料理長もピザ作りを覚え、領地の屋敷で働く執事や侍従やメイド達にピザを食べさせたら、気に入ったらしい。
領地のパン屋、食堂の料理人や、宿の料理人にも、ピザを食べてもらい、店で売れるか話し合った結果、売ることになった。
これで、領地にもピザが広まる。
その後聞いたら、売り上げは上々らしい。
父様が喜んでいた。
そんなこんなしていたら、また王子がやってきた。
「新しいピザを開発したんだろう?」
今日は新作試食会なのか?
新しく考えて、作ってもらったのは
ピザソースとじゃがいもとコーンとベーコンとチーズ
ホワイトソースとほうれん草とベーコンとチーズ
だった。
「君は素晴らしいね」
王子が絶賛した。
「いえ、再現してくれた料理長が素晴らしいのです」
料理長にはボーナスをあげよう。
「謙虚なところもいいね」
王子はナフキンで手を拭いて、私に近付いた。
「どうかな?今度、王宮にお茶会に来ないかな?」
私の手を取り、王子が微笑む。
何これ?乙女ゲーム?
すると兄様が、王子の手から私の手を奪って
「遠慮します」
と言い放った。
「えぇ?せっかくだから…」
食い下がる王子に
「私の可愛い妹に2度と近付かないでください」
兄様は、私を後ろから抱きしめ王子を威嚇した。
兄様?王子にそんな事言って良いの?
不敬罪?
「兄様?」
私は兄様を見上げた。
「大丈夫だよ。何も心配しなくていい」
兄様は優しく言うと、額に口付けた。
?????
?????
?????
頭が?で一杯な私をよそに、兄様と王子の話は続いた。
「良いなぁ…それなら私も、兄になろうかなぁ?」
「兄は私だけです」
「心が狭いなぁ」
「狭くてけっこうです」
「お兄様が遊んであげるし、勉強も教えてあげるよ。お出掛けにも行こうか?」
王子は、私に向かって優しく言った。
「間に合ってます」
兄様が即答した。
私の頭は、まだ?????だらけだった。
「将来お前はこの家を継ぐ。妹は嫁に行く。変な奴に嫁入りさせるより、私に嫁入りさせた方が良いんじゃないか?」
何を言い出すんだ王子。
「私と結婚するから心配なさらず」
ん?兄様?
「兄妹じゃないか!結婚できないだろう?」
「私は養子なので、結婚できます。もう両親にも話してあります」
兄様は、両親が、ずっと子ができなかったから、親戚から養子にもらったらしい。
それから5年後、私ができたらしい。
…仲良しだな、両親。
「結婚するかは、本人の意思も確認しないと」
王子は悔しそうに言う。
「私と結婚したら、ずっとこの家にいられるぞ」
兄様は、私に言って微笑んだ。
「わぁい!嬉しい!」
ずっとこの家にいられるのは嬉しい。
私は喜んで、兄様に抱きついた。
「私も嬉しいよ」
兄様は、私の頭を撫でてくれた。
「私とも仲良くしてくれ!王命で婚約するより良いだろう!?」
王子が叫んだ。
「「…」」
私と兄様は、無言で王子を見た。
「一目見た時から君に惹かれたんだ。まだ結婚してくれとは言わないから、せめて、友人としてでも…」
王子は私に縋り付いた。
「まだということは、いつかは結婚してくれと言うつもりだな?」
「王子様と友人…?????」
「…そうだ!領地でのピザを特産品として認定して、独占販売させよう。他の領地が真似をしたら、違法販売として取り締まる」
「「職権乱用では!?」」
兄様と私の声が被った。
「そんなに気に入ったなら、国中で作るようにしたら良いのでは?」
私は遠慮がちに言った。
「え?領地の特産品にしたいのだろう?」
「でも…独占販売は…」
「悪い奴が真似してくるぞ」
「真似されても、次々と新しい物を出していけば良いんじゃないかと…」
「新しい物…?」
「兄様、じゃがいもとコーンとベーコンのピザ、ホワイトソースにしても美味しいと思います」
「おぉ!天才だな!」
それに、クリスピー生地とか、ピザトーストとか。
「さすが、私が惚れた女」
「しれっと惚れたとか言うな」
兄様と王子が何か言っているが気にしない。
そんな事より、ピザが食べたい。
ピザが食べたくなった人、挙手をお願いします(冗談です)
読んでいただきありがとうございます




