表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空に立つ翼 ― 天翼族の少女は殴り倒す ―  作者: てん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/58

第48話 雲上迷宮・最終層――空の心臓

 最終層は、音がした。


 どくん。

 どくん。


 規則正しい鼓動。


 それは、生き物のものではない。

 だが、確かに――生きている。


《ステータス・オーバールック》

雲上迷宮・最終層

通称:空の心臓

特性:

・世界安定核

・破滅級集束点

・干渉=不可逆



「……心臓、って言い方」


 リィアが、思わず声を落とす。


「本当に、そのままじゃん」


 広間の中央に、

 巨大な“核”が浮かんでいた。


 白と青の層が、幾重にも回転し、

 空間そのものを支えている。


 その周囲には、

 砕けた世界の“欠片”が漂っていた。


「……破滅級の残骸」


 カイが、即座に理解する。


「ここに、集められてる」


 セリスが、息を呑む。


「つまり……」


「世界で生まれた破滅は、

 ここに溜まる」


 アリエスが、静かに言った。


 その時。


 心臓が、強く脈打った。


 ――ドクン!!


 空間が、歪む。


 核の周囲から、

 形を持った圧が立ち上がった。


敵:ワールド・レギュレーター

Lv:測定不能

特性:

・世界修復

・過剰戦力排除

・存在圧縮



「……守る側だね」


 レオンが、盾を構える。


「壊す気はない」


 エルナが、即座に言う。


「調整してくる」


 その判断は、正しかった。


 圧が、七人を包む。


 重い。

 だが、敵意ではない。


 測られている。


「到達者よ」


 声が、直接頭に響く。


「汝らは、

 世界の均衡を超えた」


「だから?」


 アリエスが、一歩前に出る。


「排除、する?」


「否」


 即答。


「委ねるか、拒むかだ」


 圧が、さらに強まる。


 核が、七人それぞれに反応する。


干渉対象確認:

・力

・意志

・連携



「……来る」


 カイが、短く言った。


 戦闘ではない。


 だが、

 耐えなければならない。


 レオンが、前に立つ。


 圧を、盾で受ける。


 ――ゴォ……ン……


「……っ」


 膝が、沈む。


「今、支援!」


 エルナが、

 世界干渉レベルの回復を流す。


 セリスが、魔力を安定させ、

 ミラが、圧の“隙”を探る。


 リィアが、

 踏ん張る。


「……負けない」


 それは、

 敵への宣言ではない。


 世界への意思表示だった。


 アリエスは、

 核の前に立った。


 翼を、ゆっくりと広げる。


「……ねえ」


 拳を、

 心臓へ向ける。


「壊す気、ないよ」


 拳を握り、

 しかし――振り抜かない。


「でも」


 一歩、踏み込む。


「止まったら、殴る」


 それが、彼女の答えだった。


 核が、

 静かに、応えた。


 圧が、和らぐ。


 回転が、安定する。


適合確認:

外部戦力セブン・ブラッド

・役割:世界調律者(暫定)



 光が、七人を包む。


《経験値獲得》

アリエス:Lv36 → Lv38

STR:309 → 320

レオン:Lv51 → Lv53

VIT上昇

セリス:Lv49 → Lv51

INT上昇

ミラ:Lv46 → Lv48

DEX上昇

リィア:Lv46 → Lv48

STR上昇

エルナ:Lv47 → Lv49

支援干渉耐性獲得

カイ:Lv41 → Lv43

世界解析権限(限定)



 戦闘ではない。

 だが、越えた。


 心臓が、

 安定した鼓動に戻る。


 どくん。

 どくん。


 声が、最後に響く。


「汝らを、

 世界は記録した」


「……うん」


 アリエスは、拳を解く。


「じゃあ、

 壊れそうになったら、呼んで」


 軽い口調。


 だが、

 世界は――震えた。


 最終層が、

 ゆっくりと消えていく。


 七人は、雲の上に立っていた。


 空は、広く、静かだ。


「……終わった?」


 リィアが、聞く。


「一段落、だな」


 レオンが、答える。


 アリエスは、空を見上げる。


 胸の奥は、

 不思議なほど落ち着いている。


「……でもさ」


 少しだけ笑う。


「殴る理由、なくなってないよね」


 全員が、頷いた。


 世界は、直った。


 だが――

 世界は、まだ壊れる。


 その時、

 《セブン・ブラッド》が、来る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ