表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空に立つ翼 ― 天翼族の少女は殴り倒す ―  作者: てん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/58

第45話 雲上迷宮・第三層――翼を持たぬ者の試練

第三層に入った瞬間、

 羽音が消えた。


 正確には――

 翼が、沈黙した。


《ステータス・オーバールック》

雲上迷宮・第三層

特性:

・翼封印

・揚力無効

・地上行動補正



「……あ」


 アリエスが、思わず声を漏らす。


 翼はある。

 だが、動かない。


 羽ばたいても、

 空気が応えない。


「飛べない、ね」


 静かな確認。


「つまり」


 レオンが、前に出る。


「ここは、

 俺たちの層だ」


 翼を持たない者たちの。


 第三層は、狭く、複雑だった。


 足場は連なり、

 手すりのない橋が幾重にも重なる。


 下は、相変わらず雲。


「落ちたら終わりは、同じ」


 エルナが、慎重に足を運ぶ。


「でも、飛べない分、

 判断がシビアですね」


 カイが、解析を進める。


「この層、

 飛行前提の回避を潰している」


「つまり」


 ミラが、短く言う。


「地上戦」


 その瞬間――


 橋の影から、

 敵がせり上がった。


敵:ウィング・レス

Lv:52

特性:

・飛行者特攻

・地上安定



「……名前、悪意あるね」


 アリエスが、苦笑する。


「でも」


 拳を握る。


「殴れない理由には、ならない」


 前に出たのは、レオンだった。


 盾を構え、

 橋の中央に立つ。


「ここは、

 俺が止める」


 敵が、突進。


 ――ドォンッ!!


 衝撃が、橋を揺らす。


 だが、レオンは退かない。


「今!」


 後衛が、動く。


 セリスの魔法は、

 狭い空間に最適化された直線貫通。


 ――パァン!


 敵の動きが、鈍る。


「固定!」


 ミラが、

 影杭を橋に打ち込み、

 敵の足を止める。


「行くよ!」


 リィアが、

 地上特化の突進。


 ――ガッ!

 ――ズドン!


 敵が、橋の上で崩れ落ちた。


撃破



 光が、走る。


《経験値獲得》

レオン:Lv48 → Lv49

VIT:350 → 358

セリス:Lv47 → Lv48

INT:386 → 392

リィア:Lv44 → Lv45

STR:241 → 247



「……飛べなくても、問題ないな」


 レオンが、低く言った。


 次は、複数配置。


 橋の上下、

 壁面、

 狭所。


「数、来る」


 カイが、即座に判断。


「アリエス、前に出すぎるな」


「了解」


 即答。


 アリエスは、一歩下がった位置で構える。


 珍しい光景だ。


「支える側に回る」


 その判断が、

 この層では正解だった。


 敵が、同時に襲いかかる。


 ――ザッ!


「今、回復!」


 エルナが、

 小刻みな回復を回す。


 削れない。

 崩れない。


 レオンが受け、

 リィアが削り、

 ミラが止め、

 セリスが仕留める。


 地上戦の完成形。


撃破(複数)


《経験値獲得》

エルナ:Lv45 → Lv46

支援反応速度上昇

ミラ:Lv44 → Lv45

DEX:354 → 362

カイ:Lv39 → Lv40

隊列最適化



 第三層の奥。


 層主が、現れた。


敵:テラ・ジャッジ

Lv:55

特性:

・翼封殺

・重心固定



「……最後だ」


 アリエスが、深く息を吸う。


「行く?」


 レオンが、笑う。


「当然」


 盾が、前に出る。


 敵の一撃が、重い。


 だが――


「今だ!」


 アリエスが、

 地面を蹴った。


 飛ばない。

 走る。


 ――ドンッ!!


 拳が、核を捉える。


 敵が、崩れる。


層主撃破



 最後の光。


《経験値獲得》


アリエス:Lv33 → Lv34

STR:289 → 295


レオン:Lv49 → Lv50

HP:2560 → 2640



 第三層、制圧。


 翼封印が、解ける。


 空気が、再び応える。


 アリエスは、翼を軽く広げた。


「……飛べるの、

 当たり前じゃないね」


 セラフィナの言葉を、思い出す。


 “足で立て”。


 この層は、

 それを教えるためにあった。


 雲上迷宮は、

 まだ、試練を続ける。


 だが――

 《セブン・ブラッド》は、

 どの戦場でも戦える。


 それを、証明した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ