生きている屍大作戦!
人々が寝静まった深夜、私は町はずれの森にいた。
作戦に使う道具をそろえてたらこんな時間になってしまった。
普通の冒険者は夜をさけるだろうが、ネクロマンサーのスキルを使用するところを見られる心配がなくなったのでむしろありがたい。
「よし、ここらへんで大丈夫かな」
私は木の並びが途絶えた、開けた場所で立ち止まった。
そして昨日と同様に、白い布を地面に敷く。
その上にこれまた同様にゴブリンのチンを大量にばらまいた。
「『Δίνει αιωνιότητα.』」
前回同様、黒いゴブリンが現れる。しかし今回は3匹だけだった。4匹には数が足りなかったらしい。
クエストを受注したのち、私は一人昨日同様にゴブリンを狩りに向かった。
ゴブリンは知能は低いが夜目が効く。本能に従うという仮説が正しければ、おそらく彼らは食事、それも肉をめがけて行動するはずだ。
「よーし、じゃあ適当に各々すきなよーにー。解散!!」
伝わってるかどうかわからないが、とりあえず号令はかけてみる。
モノ言わないゴブリンどもはふらふらと森の中を進んでいった。私はそこらにあった木に登り、彼らの背を見送った。
行き先は餌か女。
まあ餌になるのはこいつらだけど。
ダイアウルフは群れ単位とはいえ狩猟難易度はC、対してこいつらはF。勝てるわけがない。おそらくその後ダイアウルフに頂戴されるだろう。
時間稼ぎになるならどうでもいい。うまくゴブリンをおとりに使ってダイアウルフを倒せれば、倒されたやつがまた新しい生餌となる。
バウバウバウ!!と前方が騒がしくなった。
私は枝に身を隠しながら、前方を見据えた。
「あ・・・あれえ??」
剣戟は一瞬で止んだ。代わりに、2頭のダイアウルフがゴブリンたちの死骸に群がっていた。
あまりにも弱すぎる。
呆然としていると、うちの一頭と目が合った。
透き通った黒い瞳に見惚れていたのも束の間。
一頭は私と目を合わせたまま一気に駆け出し距離を詰めてきた。
「ッ・・・・!!『吐糸』!!」
たまらず前方に糸を射出する。
しかし、着弾する直前にふっと真横に跳躍し、これを回避してきた。
横に着地した瞬間。
「『スラッシュ!!』」
今度は私が距離を詰め、ナイフによる斬撃を首元に見舞う。
奴はそれすらも見切り、仰け反ろうとしたが。
その斬撃は伸び、ざっくりと首を裂いた。
『スラッシュ:Lv4』
斬撃の跳躍
昨日のゴブリン戦でレベルがあったのだ。
正直頭から抜け落ちていたので、偶然の産物だった。
「・・・・よし、まずは一匹!!」
ともう一匹を視界に入れようとしたが。
奴はもう遠く駆け出してしまっていた。
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