イッカク
航海4日目、漁の準備が終わった朝方
チョウがデッキへ集合をかけた。
「9時に網の引き揚げに入る迎撃はイッカクを確認した後速やかに行う、各自配置へ、ヒビキとGTはデッキで見学すると良い」
漁船が網を引き揚げ始めて30分水面から体長6mのイッカクがでた。護衛艦の二号艦付近でそちらで応対していた。
再び同サイズが護衛艦付近にでる今度は一号艦だ。
「発射」
チョウの掛け声と共にモリがイッカクへ刺さった。カエシが入ったのを確認。
「電流投下」
暴れるイッカクが大人しくなりワイヤーで引き寄せる、エラにカエシを入れてクレーンで上げる、シンがイッカクの側で角にチェーンソーを入れる。
暫くして切れた角がデッキに打ち上げられた。
イッカクを海に戻してる内に漁は終了していた。
今回は2匹のイッカクとの遭遇。
確かに漁船にイッカクが飛びこんだらやっかいな大きさではあった。
「チョウさん、イッカクは食えないのかい?」
ヒビキが聞いてみる
「不味いし、船にあれを上げて暴れたら死人がでるあるよ?角ぐらいあるよイッカクの旨味は」
その瞬間艦の横から10m近いイッカクが飛び出た!
揺れる船内
「イッカクが着水したら発射よ!」
チョウの合図でモリが発射される。
しかしモリがしっかり刺さらなかった。別の狙撃者がすかさず狙撃。今度は刺さったが暴れるイッカク。
「電流投下!」
電気ショックでもなかなか鎮まらない。
モリが引っ張られワイヤーが伸びきっている。ようやく気絶したイッカク。
「ヒビキー!」
下を見るとシンが船の外に体が出ている。かろうじて手すりに掴まっている。
GTが先にデッキへ降りて助けようと必死だが揺れていてなかなか近づけない。
「シン今だ!」
ようやく手を伸ばしたGTがシンを引っ張りこんだ。
まだ立ち上がれないシンを横目にヒビキがチェーンソーを角へ入れる。切り終えた角がデッキへと上げられイッカクを海に放り込んだ。
「シン危ない所だたね、GTよくやたよ」
「ありがとうGT」
「いや運が良かったよシン」
それぞれに安堵して漁を終えた。