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シン

船員部屋へ戻るとシンが1人でいた部屋は狭く全く余裕なんかない。


「これから宜しくヒビキだ」


ヒビキはシンに挨拶する。


「シンだ宜しく、とても窮屈な場所だから迷惑したらスマン」


迷惑もなにも雑魚寝部屋だな。とGTは思った。


「俺とヒビキは19でスラム出身だ、ハコダテから少し離れた街の出身だお宅は?」


「俺はハコダテの出身で囚人者の息子として生まれた孤児院に15まで居てそれからは住み込みの仕事をしていたがそこの会社が傾いてまっさきに雇用を打ち切られた。今年で21だ」


「お互い似たようなもんだな。さぁ明日は早いから寝よう」


ヒビキもGTも死ぬほど歩いていたから疲れとともに眠りに落ちた。


シンは今日は悪夢でも見そうだと窮屈に横たわった。


朝方、GTは1人早起きし調理場へ向かう。

「おー新人、お前が補助か?」

「はい、GTと言います」

「そうか俺はスーってんだ、とりあえずそこの玉ねぎと肉を鍋に入れてくれ」


大量の玉ねぎと肉を鍋入れて煮込む、スーは朝からカレーを作っていた。


「それが終わったら弁当並べろ新人」


弁当を人数分並べて中に米をよそってその後シュウマイと卵焼き、エビチリを入れて完成。蓋をして袋にいれて人数分用意する。

皆起きてきた頃には弁当は出来上がっていた。

「スーさんまたカレーかい、スーさんの調理番は半分がカレーになっちまうな」


船員からクレームがでる。


「うるせぇ、無難なのが一番よ」


ヒビキもGTもシンもテーブルにカレーを持ってきて食べ始める全てセルフだ。


「シン食べ終わったら9時にデッキへ来てくれ、服と靴はロッカールームにある」

チョウに言われて準備しようとロッカールームへ移動する。


ロッカールームには1人1人の作業着と滑り止めの長靴があった。

着替え終えてデッキへ向かうシン。


「シンこっちだ、これが雑用の新人シン」

チョウの向こう側に5人がいた。

「こいつらが迎撃班だ俺の合図でモリを撃ち込む狙撃者が三人、電流を流し込むのが二人、そして角切りがシンだ、1回目漁は三日後の海域の予定、今の所イッカクとの遭遇率は4割り程度。今から2日間演習を行う」


チョウの説明が終わり演習が開始される。仕組みはワイヤーが着いてるモリを撃ち刺さったら電流流す、獲物が動かなくなったらワイヤーを引き寄せるイッカクのエラに別のカエシを入れてクレーンで船の横に吊り上げる、イッカクの角を特殊なチェーンソーで切断して終わる。

ちなみにチェーンソーの歯は特注らしいイッカクの角の強度凄まじく普通の金属では切断できないらしい、使い方事態は一緒のものだが。

一番危険なタイミングでもあるという、イッカクが万が一暴れるとチェーンソーとイッカク両方の危険があるからだ。

シンは一日中この演習を行った。


それをやる事のないヒビキが上のデッキから眺めていた。


船内へ戻ると機関室から1人の老人がでてくる。


「すまんがこの水筒に茶を持ってきてくれんか」

「はい、機関室に行けば良いですか?」

「うん奥にいる」


ヒビキは言われた通り調理場へ行き茶を汲んで戻った。


「ほい、じぃさん」

「あい、ありがとよ新人、ワシはラオ」

「俺はヒビキっす。ラオじぃはなんの仕事すか?」

「ワシは燃料系統の番と電気系統の異常がないか監視しとるんじゃ」

ヒビキはイッカクの話をラオにしてみた。

「ラオじぃもイッカクの角が欲しいんか?」

「ヒビキはイッカクの角の値打ちを知らんのだな、ならば教えてやろう。

イッカクの角は金属ではなかなか切れん、ただ加工方法は確立されてる多少金はかかるがな。イッカクの角事態は一本300万が相場大小はあるが。あとは使い道だが一般的には中華では風呂を沸かす燃料になる乾燥させた後イッカクの角に引火する、消火は酸素さえ遮断すれば大丈夫じゃ、この燃料が実に手の平分でも3年はもつんじゃこれが20万ぐらいで売れる一本燃料にしたら1000万ぐらいになる。もう1つはあまり知られていないが武器に加工できる、耐熱を利用してヒーター棒やヒーターソードなんて呼ばれてるんじゃ、こちらは半分ぐらい利用するんじゃが目的は大型の虫狩りや3mぐらいの熊程度なら狩ることが可能じゃ、危ないハンター業をしている輩が使ってるな」


「なぁラオじぃ中華は虫とか熊とか多いんか?」


「陸地はな、海はまだマシじゃが陸地はとんでもない生物が僻地にでたりするらしいの。虫は夏場になると農村では駆除依頼があるくらいでるわい」


「ジャパンじゃ熊のデカイのはあるが虫は蜘蛛ぐらいだな。他の国では蛾や蜂の巨大化なんてのがいるみたいだし物騒だな」


ラオは頷きながらヒビキを見ていた。


「ヒビキの国は分断されて本土は今は無法地帯の様な状況じゃろ、まだ見ぬ化物がいても可笑しくない状況じゃ、中華も避難区域近くでは常にそんな生物がいるんじゃわしは一度しかみてないがカマキリの巨大化したような生物がいてな、デカイ木を一瞬にして切り落としていたな、駆除するのにワナをはって電流で駆除したらしいが避難区域近くには近づいてならんぞヒビキよ」


「大丈夫だよラオじぃとりあえずは港にいるんだから」


そんなやり取りを済ませ機関室をでると汗まみれのシンと遭遇した。


「ずいぶん重労働だな」

軽口を叩くヒビキ


「ヒビキか、何回演習したと思ってる、これから着替えるから綺麗に洗濯してくれよ」


それからシャワー室へシンは向かっていった。


シンはシャワー室で服を脱ぐとシャワーを浴びる。

脱衣場へ戻るとヒビキが洗濯物を回収してる最中だった、シャワー室からでるヒビキが一度、シンの背中から腰に蠍の刺青が入ってるのを見かけた。

特に問いかけもせずヒビキは部屋からでていく。


シンはどこか疲れた様子でタメ息をついていた。



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