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【1-11】
【1-11】許されざる者たち②
颯介は校門にいて明文を待っていた。今日の日直当番の明文は、担任教諭に今日の出来事を報告するのが慣例となっていた。
それにしても長いな、と感じた。それは、小紅の所へ早く行きたいと思うが為だった。
なぜだか胸騒ぎが収まらない。
校舎から出て来る明文が視界に入った。
颯介は手を振って、明文に早く来るように促した。やっと来た明文に、「早く小紅の所に行かないと…」と、云った。
「小紅?ああ、あれは大丈夫!」
余りにも素っ気のない返事に颯介は戸惑いながらも小走りに駆け出していた。