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STEP:2 ねとらじ

2ちゃんねるの事を学んだ僕は、遂に先日のスレに書き込んだ。

後はレスが付くのを待つだけだ。


トイレに行き、戻って来てページの更新をした。

すると、「LOVERか何かだろ。分からないけどな」とレスが投稿されていた。

その時、自分の中に不思議な感情が沸き上がってきた。

何と表現したら良いのか分からないが、少なくとも嬉しかった。


自分の周りには誰もいない。当然話す相手もいない。

しかし、ここには人がいる。自分の言葉に返事をしてくれる人がいた。


確かに、知りたい事は分からなかった。しかし、それでも嬉しかった。

それまでは、ただの文字だったのにたくさんの人々がいる様に思えた。

僕は他の板にも興味を持った。


殆どのジャンルは名前を見ればその内容に察しがつく。

しかし、その中で「実況」と「雑談系2」の中にある板の内容が分からない。

それぞれの板のスレ一覧を見てみる事にした。


その中で自分が分かる話題は「FF」だった。

スレの内容も分からずにレスを走り読みした。


しかし、レスの内容がおかしい。


アンカーも無いのに、レスが何かに対して話している。

今更ながら、>>1を見て「実況」という名の意味が分かった。


その中のURLに見慣れないものを見た。

最後が「.m3u」というもの。


m3uについて、調べてみると

「オーディオプレーヤーなどで使われるプレイリストにつく拡張子。中身はテキストファイル」

と、書いてあるのを見つけた。

テキストファイルであるなら、何が書かれているのか気になる。

「>>1に貼ってあるリンクだし、平気だろう」と思いクリックした。

すると、突然メディアプレーヤーが立ち上がり、FFの曲が流れ始めた。


しばらく、聞きながらスレを見ていると突然喋り始めた。

ゲームの内容に対して、個人が話しているのだ。


意味が分からず、この状況の詳細について、訪ねる事にした。

間もなく付いたレスにはURLが貼られていた。

そのURLの行き先は「ねとらじ」というサイトだった。


ページ内のメニューの内容を見た時、そのシステムが面白そうだと思った。

個人が自宅などのパソコンとインターネットを利用し、ライブでラジオの様なものを配信できるのだ。検索で「ねとらじ」を調べると、様々な物が該当した。


この日は、更に色々なスレや掲示板でラジオを聞き続けた。

プロがやる放送とは違いアクシデントが起きたり、レス読みを噛んだり、それ等が全て新鮮で面白かった。



気が付くと、パソコンの前で寝ていた。

ラジオを聞きながら寝てしまっていた。


月曜の朝9時過ぎだった。

母親は既に出勤したらしく、家は静かだった。

台所から食パンを持ってきてパソコンの前に戻ってきた。


お気に入りに登録してあるラジオもスレッドも、どこにも人はいなかった。

仕方無く、ねとらじのトップに戻って一覧を見ては試しに聞いてみた。


何も話さずに音楽が流れるだけ、女性の放送や実況に、生活音などの様々な放送がある事を知った。

人が多い放送ほどつまらない放送だと思い、人が少ない放送を探そうと更新をした。

すると、今始まったばかりの放送を見つけた。


男性が話していた。

今まで聞いていた放送とは違い、見事なトークだった。

男性がレスの番号を読んでいるのに気付いたが、関連URLが無い為にどこを読んでいるのかが分からない。

ただし、放送のジャンルには「声キモ」と書かれていた。

疑問を解消するためにも、すぐに声キモを検索した。


該当したのは「声がキモくてしゃべるのが下手な俺と一緒にラジオ-トップページ」。

略して声キモなんだと分かった。


対象のページを表示させると、メニューがあり、その中の「現在のスレ」をクリックした。

ページが開いた時、そこが2ちゃんねる内である事は分かった。

しかし、どこに該当するものであるのかまでは分からない。

それに伴い、掲示板に戻ってみると、「ニュー速VIP」という板だった。

そして、このニュー速VIP。略してVIPこそ内容の分からなかったもう一つのジャンルである、「雑談系2」に属する板である事を知った。


それから僕は声キモに居着いた。

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