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Side : 公爵と公爵と侯爵と

「閣下、遅くなりまして申し訳ございません」


「おぅ、クォーター。先に飲んでるぞ。どうだ? 嬢ちゃんは元気か?」


「はい、ありがとうございます。相変わらず元気に走り回っておりまして、最近は私に長生きしろと食事にまで口を出してくる始末で」


「健気な娘じゃねぇか、大事にしろよ」


「はい、自慢の娘です」


「どうだ、俺の息子の嫁にってのは。25、いや26だったか、ちぃと年は離れてるがなかなかの――」


「はっはっはっ、閣下は冗談がお上手だ」


「はっはっはっ、今のどこが冗談に聞こえた?」


「遅くなりました」


「おぅ、ヒューバート。先に飲んでるぞ。どうだ? 最近、かみさんちょっと元気になったんだってな?」


「はい、ありがとうございます。新しい友人ができたと張り切っておりまして、先日も一緒に菓子作りに挑戦しておりました」


「おお~、そりゃ僥倖だな」


「クォーター、ローズ嬢は本当に素晴らしいお嬢さんだ」


「ああ、自慢の娘だよ」


「どうだい、セルジュのお嫁さんにというのは。セルジュも乗り気でね、妻も娘も喜んで迎えたいと――」


「はっはっはっ、公爵は冗談がお上手だ」


「はっはっはっ、いやわりと本気だけど?」


「…………帰ります」


「まてまてまてまて。ひとまず嬢ちゃんの嫁ぎ先問題は置いといてよ。――お前ら、最近王城に行ったか?」


「行っていませんね。ただ、きな臭い噂はのぼってきてます」


「まさか継承の宣言がここまでないとは思いませんでしたよ。陛下も何を考えておられるのか」


「第2王妃が動き始めてる。今議題に上っている例の件、王族にまで拡大解釈されるのを恐れてるんだろう。反王党派の動きも一時より落ち着いたとはいえ、気は抜けねぇ。お前たちもどっち側につくか、よく考えておけよ」


「つきませんよ。私はローズとフリードの味方です。それ以外は関係ない」


「……僕には選択の余地はありませんよ」


「あぁ、お前結婚するときに陛下に後押ししてもらったんだっけな」


「妻を得られるなら、何を引き換えにしても後悔はありません。ただ、息子にまでその責を負わせるつもりはなかった……」


「難儀な取引しちまったなぁ――そういうや、クォーター、お前もなんか話があるって言ってたな?」


「はい。これを見ていただきたい」


「ナイフ? 見たことのない紋様だね」


「――……父の体に刺さっていたものです」


「?!」


「そして、娘にも同じものが届きました」


「マジか……」


「同じ犯人なのかい?」


「まだ何もつかめてはいない。ただ、娘が何か危険なことに巻き込まれていることは確かです。どうか、お二人の力をお貸しいただきたい」


「もちろんだ。こっちでも調べておく」


「僕もだよ。セルジュにも学院で気を配るよう言っておく」


「お二人ともありがとうございます。何卒、よろしくお願いいたします……!!」

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