表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/137

3 悪役令嬢脱却への道 1

穏やかに静かに暮らす。

そう昨晩決意したばかりだったのに、さっそく朝からひと悶着あった。

学院に行くためにドレスを持ってきた侍女に、制服を着るからと告げた後の問答の面倒なこと。侯爵令嬢にあるまじきと最後まで抵抗されたものの、何とか今しか着れないものだからと押し切った。

パーティーに着ていくようなドレスを学校に着ていくのがおかしい。周囲からの冷めた視線を羨望のまなざしだととって、モデルのようにねり歩いていた過去の記憶を葬り去りたい。思い出すだけで辛い。

大体、昨日のお気に入りのドレスにしたって、その昔しつこいローズに辟易して王子が何とかかけた言葉だったのだ。しかも、「そのドレス、とてもきれいだね」である。褒めてる対象は私ではない、衣装だ。

ドレスがきれいなのは、莫大な費用をかけて一流の職人が作り上げたのだから、当たり前である。それなのにローズは有頂天になった。

恋は盲目とはよくいったものだ。

が、もう私は以前の彼女ローズではない。王子に恋する16歳の悪役令嬢ではないのだ。

制服にしたのは、以前の感覚を引きずっているからか急にコルセットが苦しくなったからだし、対処できない事態に遭遇した際、走って逃げられるようにである。

侍女に言わせれば、制服は毎日の衣装を用立てる財力がない下層階級が着るものらしいけれど、自分の未来がかかっている。知ったことではない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ