プロローグ0 逃げた先は
はじめまして黄色い翁です。右も左も分らず勢いで筆を取りました。
一応ゴールは決めております。道中どうなるかわかりませんが・・・がんばります!
導入部分が主人公の根幹に繋がるので大分長くなる予定です。
「人の心、気持ち」を大切にしていきたい作品です。
少しでも一喜一憂を共有できる作品を作っていきますのでよろしくおねがいします。
その男はただ辛かった。ただ苦しかった。何も出来ず何もせず、夢や希望など持つことも出来なかった。いや、出来なくなった。
だからだろうか。決して触れらず、あるのかも分からない世界を夢想し思いを馳せる事だけは決して『諦めること』が出来なかったそんな物語である。
「ここは・・・・・・」
知らない場所だった。否、解らない場所だった。映る世界は白く、眩しささえ覚えてしまいそうである。
境界はなくどこまでも続いているようなそんな場所であった。
「気がつきましたか?」
背後から耳朶に触れた音だけで美しく厳かでありながら静謐さを感じ取るには十分な声音であった。
その声の発する方を振り向いて彼は美しさに神々しさに絶句した。そして同時に得も言われぬ恐怖が神秘が其処に立っていた。
「ん?どうされ・・・・・・失礼しました。神気を抑えますね。これでどうでしょう」
脳が、心が震えていたにも関わらず目を逸らせなかったが、正常に戻りつつあるようだった。
「間に合わなかった!?どうしましょう!忘れてました。他の子達は声のみでしたし・・・・・・あー!なんてことを私は。いつもそう!なんでこんな初歩的なポカをしてしまうの!」
目の前で繰り広げられる女性の落差に彼は落ち着きを取り戻しつつも思考を加速させていく。
おそらく彼女は神(女神)にあたるのだろうと直感が訴えていた。純白のドレスに髪は白金でありながら虹のようにも見え、浮世絵離れした金色の虹彩を持つ瞳。華奢でありがら出るところは出ており、引っ込んでいるところは引っ込んでいる。白磁のような肌は彼女を拠り神秘さを引き立たせている要因であろう。
そして自分は何故だか知らないが女神に謁見しているという現実離れした状態なんだということを。
「どうしよう・・・・・・創造神様にまたお叱りをもらってしまうわ。修復だけでもしないと!」
女神はこちらに近づき前屈みになり手を伸ばしてきた。
「み、み!!!」
嗚呼悲しきかな。彼は男である。神に謁見しているというのに眼前に広がる双丘から目を離せない男の性である。
「やっぱり発狂してし「ご馳走s、じゃない!大丈夫です!見え!見えちゃう!」・・・・・・へ?」
脱兎のごとく彼は後退した。当たり前である。たとえラッキーだろうと神秘の神秘が眼前に迫っていようと現代社会に生きる彼は『卒業』はしていても分別はついている。
だから距離をとったのだ。
しかし距離が離れなかった。否。距離を離そうにもにも手足が身体が無いということに今更ながらに理解したのである。
「!!!」
「!!!////」
身体がない衝撃に言葉を失う一方、羞恥に顔を染め言葉を失う彼と女神。
しかしながら彼女が居住まいを直し、一つ咳払いをしたことで場の空気は落ち着きを取り戻していった。
「コホン。失礼しました。私は輪廻転生の権能を持つ神、転生の女神とも呼ばれていますがリリエルと申します。以後お見知りおきを。南條華蓮さん」
女神リリエルは一つ会釈をし彼、南條華蓮に微笑みかけた。
「は、はぁ。って、いやいやいや!先程はこちらもすいませんでしたぁ!」
対する華蓮は身体が無いというにも関わらず誠心誠意の全力土下座であった。
これが始まりだった。
地球ではない別の世界、異世界で剣神または守護者、はたまた破壊神と呼ばれた男。いや、俺の物語。
如何だったでしょうか。まだ何も、壮大に何も始まらない0話です。
この後は0-▲話といった形で進行していきます。
誤字脱字等あったらこっそり教えてください。
続きが気になる!と思った方は評価とブックマークを
よろしくお願いします。
それではまた会いましょう。