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12月に振られるなんて  作者: 奏華
2/6

前の彼

 その時、えっ、何。

視界に人が、寝てる?のが見えた。

こんな所にまっ、まさか。先客?

きゃー。死体なんて、見たくない。

ど、どうしよう。やっぱ、自殺だよね。ぎゃー。

ここは、見て見ぬふりを決め込むか。

しばし、悩んだ末近づく。若い男が、倒れこんでいる。

周りに、薬の錠剤が散らばっている。

自殺か。どうしよう。

まさか、遭遇するなんて。

顔が、はっきり視界に飛び込んでくる。


えっ、え-。こいつ、林田 龍。

1年の時、私を振った奴。

なんで、こんな所で死んでるの? ハハハ、天罰が当たったんだあ。

なんて、チャラけてる余裕はない。

顔を近づけてみる。息がある。助けなきゃ。



携帯で、救急車を呼ぶ。

住所ー矢吉良儀から、深く進んだ樹海です。

誰ー通りすがりのものです。

支離滅裂な、会話だったけど何とか伝わったらしい。

しばらくすると、ドローンが頭上に飛んできた。

私は、大きく手を振った。

それから、しばらくして頭上に救助用のヘリコプターが来た。

すぐに病院へと運ばれ、龍は適切な処置で命はとりとめた。

なんだか、とても複雑な気持ち。

助けてよかったのか?

私も、ノコノコついてきて。

まあ、どっちにしろ樹海に残れる状況じゃなかったけど。


龍の持ち物は、何もなくズボンのポケットに小銭が入ってるだけ。


私ときたら、死後処理で家族に迷惑かけないように、まとまったお金を残した。

だって、12月に振られるとは思わなかったから。

クリスマスとか正月とかイベント用に貯めてたお金。ポケットには、カードが入っている。

なのに、こいつときたら潔いというか。


病院の受付で看護師から、保証人になってくれと言われて断らなかった。

つくづく、馬鹿だなあ。あんな振られ方したくせに。


「俺さ、目標数達成したから、別れてよ。」その時のセリフが頭に浮かぶ。

友達が、止めてくれたのもきかずに、学園1のチャラ男と、付き合った。

もう、真面目に一人の人に尽くすんだ。なんて、歯の浮くセリフも様になってた。

100人彼女達成とか言って浮かれてた。

馬鹿野郎。

でも、なんかさあ。何もいえなかった。かっこよくて、お喋りがたのしくて、きっと結婚詐欺とかこんな感じだろうなあ。一緒に、夢を見てたんだ。

でも、夢から覚めたら心はボロボロになった。

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