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(異)世界は掌の上で  作者: 倫理観
~創造神(仮)の研修期~
8/23

7 / 創造神に助手とか要ります?②


「失礼ですね。正真正銘男ですよ」


 テルは帽子を脱いで、腰に下げていたバッグにつめこんだ。


「……まあ、正直言うとな、男か女かなんてどうでもいいんだが、肝心なのは俺が子供のお守りをしなくちゃいけなくなることだ」


 世界のその言葉を聞いた途端、女神シロノは声を出して笑った。


「そうね、確かにテルはまだまだ子供な所が多いわね」


「呼んでおいてその言い方はないんじゃないですか!」


 世界はズレていたネクタイの角度を直して、回れ右をした。


「よし、それじゃあ俺は作業に戻るから」


「待ちなさい」


 予期しない鋭い声に、背筋が伸びる。


「テルを助手として迎え入れなければ、創造神としての権限を剥奪します」


 創造神としての権限の剥奪……?

 前へ前へと進めていた歩が止まった。

 女神って、そんなこと出来るのか!?

 冷静になれ、俺を丸め込めるために言っているだけで、ホントはそんなこと出来ないかもしれない。


 振り返って、女神シロノの顔を見た。

 片目を細くして、余裕あり気な表情を見せつけている。


 ま、マジかー……。


「そういう事なら、先に言ってくれるといいんですが……」


 ここは下手(したて)に出て、なんとかやり過ごそう。


「何を言っているんです?」


 え。


「いや、ですからその」


「なら、今言いました」


 シラは切るし強行突破かよ!

 テルが二人の間に入る。


「いいですよ。異世界創造とはスケールの大きなものですから、少し興味はありましたが、当の本人が嫌がってるじゃないですか」


 9歳の子供に助けられて情けないけど、いやー助かるな。


「今さら無かったことにしてもテルの部屋は空いてないけど、良いかしら?」


「ぼ、ボクの部屋に誰が入ったんですか!聞いてません!」


 なんだ、何の話だ。


「代わりにマークが入ったわ。どうしてもって言うなら、一緒の部屋にしてあげるわよ」


「うぇえ……マークはお漏らしばかりするから嫌だよ!そんなの御免だ!」


「なら、決まりね」


 女神シロノがそう言うと、テルは世界の元へ走ってきた。


 イマイチ話が見えないが嫌な予感がするな。


 テルは切羽詰った様子で、胸を叩きながら言った。


「助手にしてもらえませんか!ボク、一応シロノさんと交信とれますし、ある程度のことは自分で出来ますよ!」


 ある程度のこと、ねえ……。


[生物情報]

 ――――――――――――――――――

 総合評価A

 名前 テル

 種族 人類

 系統 戦闘系

 形態 子供

 固有スキル 名前がありません

 Lv 74/10000

 生存時間 

 ステータス HP:9400

 STR:2600

 DEX:3000

 DEF:1600

 AGI:3200

 INT:2900

 MND:2500

 LUK:2200

 CHA:1700

 後天性スキル:無し

 出身地 出身地が存在しません

 ―――――――――――――――――――


 ……なんか、わりと強くないか?

 レベル74って今まで何して生きてきたんだよ。

 出身地は、この世界出身でないとするなら当たり前なのか。

 流石に弱すぎたらどうしようかと思ったが、これならそう問題は無さそうだな。

 何かあったら俺がフォローしてやればいい。


 手を差し伸べた。


「わかった、よろしくな」


 テルは差し伸ばされた手に一瞬驚いたが、すぐ両手で握手してきた。


「どうも、よろしくです。あ、そうだ」


「どうかしたのか?」


 テルは帽子を浅く被って言った。


「システム、作ったのボクですよ」


 システム?


「ほら、あなたが見てるステータス画面とか」


「ああ」


「イメージで創造する…の原案とか!」


「……ああ!」


「それでは、私は人間を創っておきます。こればっかりは創造に手間がかかるから、先に色々しておきました」


 女神シロノはそう言ってまた杖を振った。

 光が現れ、そこへ消えてゆく。

 テルは上空へ昇っていく光に手を振っていた。


 人間創ってくれるのか。

 それなら、俺たちはモンスターの創造といくか。


「テルには創造神の権利…はあるのか?」


「無いですよ。なのでお手伝いする形になります」


「そうか」


 よし、徹底的にこき使ってやろう。

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