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(異)世界は掌の上で  作者: 倫理観
~創造神(仮)の研修期~
3/23

2 / ドラゴンの育て方(不正)


 オプションを開き、見ているうちにある項目に目が留まった。


 ”創造神モードから人間モードへの切替”


 創造神から人間になれるの?

 それなら破壊も可能か。


 切替をタップする手がピタッと止まった。


 いや、ちょっと待て。

 人間になるってことは、つまり今の能力は無くなるわけだ。

 それで作業が捗る訳がないし、万が一ドラゴンが孵って後ろから噛まれてみろ、生身の人間が生きてられるはずがない。

 仮に防具着てても無駄だろうが。


「くっそお…次々と創造すればいいってものでもないな」


 まあいいか、時間なんていくらでもあるんだし。


 スコップを創造して、それを片手に人間モードに切り替えた。


 ………………

 何も感じないな。


 そこからの作業は、苦行の連続…であったはずだった。

 スコップを振り回しても重みを感じない、というか大道芸みたいなことが出来る。

 スコップで地面を掘っても土の抵抗を感じない。


 俺って、生きてるのか?

 いや、電車に轢かれてるから死んだも同然だし、でも異世界にいるから生きてるのか…?


 試しにスコップで自分の顔面を思いきり叩いてみた。


 鉄の衝撃が頭に響くが、何ともない。

 あれ、痛くない。


 それよりスコップが変な方向に曲がってる…!


 曲がったスコップを投げ捨てても、地面に落ちる音が聞こえない。

 不思議に思って投げた方を見ると、遺跡にスコップが刺さって衝撃波のようなヒビ割れが残っている。

 自分の手を見て、握ったり開いたりした。


 どこが人間なのか教えてくれ。


 指を地面に突き刺して、弱めに振り上げた。

 地面が大きめの塊となって、壁に直撃した。


 破壊神級なんですが……。


 でもこれはむしろ好都合だな、さっさと終わらせてしまおう。



 6M後



 作業はすべて終わった。

 掘り起こした土は世界樹の周りに集めてそれらしい雰囲気にしてみた。


 いやあ、初めてにしてもよく出来たものだな。


 壁のあちこちから水が溢れ、円を描くように川が通り、トンネルの方へ水が流れている。

 世界樹周辺の土地だけ高くして、特別感も出してみた。


 それにしても、疲れも何も感じねえなあ。


 何かが割れる音が聞こえる。


「あ?」


 まさか、もう孵るの?

 枝にぶら下がり、龍の卵をじっと見た。

 !!

 中身が少し見えている。


 瑠璃色の角が卵の上部分を突き飛ばし、飛び出した。


「うおおめちゃくちゃ輝いて見える!」


 甲高い鳴き声がして、真っ黒な翼が見えた。

 息を飲んで見守っていると、ビイッという鳴き声と共に卵が焼け散った。


 噴煙を口から散らし、まん丸の目玉には灼熱の炎が宿っている。

 く、くすぐられる…。


「かわいい!」


 孵ったばかりだとドラゴンも可愛いもんだなあ。

 ドラゴンって成体になるまでどのくらいかかるんだろう。

 何千年とかかりそうだな…。

 ちょっといじれないか見てみるか。

 創造神モード切替。


 生物情報 龍1


 龍1をタップした。


[生物情報]

 ――――――――――――――――――

 総合評価SSS

 名前 ドラゴン1

 種族 飛龍

 系統 知力系

 形態 第一形態

 固有スキル 名前がありません

 Lv 1/10000

 生存時間 

 ステータス HP:1900

 STR:700

 DEX:700

 DEF:560

 AGI:610

 INT:900

 MND:890

 LUK:470

 CHA:840

 後天性スキル:無し

 出身地 名前がありません

 ――――――――――――――――――


 総合評価SSS!?スゲー強いんじゃないのか。

 そうだよな、ドラゴンだし将来的にトップクラスで強いんだろう。

 ステータスもレベル1なのに高い感じするし。

 名前も固有スキル名もまだないのか。

 これは俺がつけてあげる必要がありそうだな。


「これかな」


 名前 カルヴェリオン

 固有スキル メテオレイン

 なんとなく火属性っぽいから火にしてみよう。

 後天性スキルって言い方カッコいいな。

 形態は…そうだな、成長すれば変わるんだろう。

 出身地に名前が無いってことは、土地にも名前がつけられるのか。


 カルヴェリオンを肘をついてじっと眺めていた。

 ダメだ、とても待ちきれそうにない。


 知力が高いんだから、後でどうにかして暴れさせないようにすればいいんだ。


 形態進化をタップした。


 カルヴェリオンが白く輝き、光を放ちながら少しずつ大きくなっていく。


「お、おおお…これは凄い!」


 尋常でない地響きが起きた。

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