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(異)世界は掌の上で  作者: 倫理観
~創造神(仮)の研修期~
11/23

10 / オークたちのアジト


「はっ、周りは雑魚ばっかだなあ。このままレベルもどんどん上げて、俺が頂点に君臨してくれるわ!」


[生物情報 簡易版]

 ――――――――――――――――――

 総合評価A

 名前 シャープ

 種族 鳥竜

 形態 戦闘系

 Lv 8/10000

 ―――――――――――――――――――


 さっき横を走って行ったオーク共を餌にするか。


 ヒラヒラ飛んでいると、黄色の巨体が前方を塞いだ。


「なんだよ、死にたいのか」


 鋭い牙を剥き出しにして、オークキングに威嚇して見せた。


「お前か、あいつらが言っていたのは!」


 槌を構えたオークキングの豊満な腹に噛み付いた。


「血がプシャー!経験値ゲット!」


 噛み付いたはずだったが、牙が腹に跳ね返された。


「は!?なんだこの腹!」


「つぇい!」


 槌が振り下ろされ、叩き落とされる。

 動けなくなったところ掴んで、頭上に放り投げた。

 横向きに勢いよく振られた槌が、シャープの顔面を捉える。

 血を吐いたや否や、消えていった。


「死んでいなければホームラン級の良い当たりだ。やはり上位種族は経験値が旨い!そして俺様は下位種族、下克上して俺が頂点に立つ!」


[生物情報]

 ――――――――――――――――――

 総合評価S

 名前 オークキング

 種族 人型

 系統 戦闘系

 形態 第二形態

 固有スキル 名前がありません

 Lv 26/10000

 生存時間 

 ステータス HP:44600

 STR:4000

 DEX:2000

 DEF:3100

 AGI:1100

 INT:1000

 MND:2400

 LUK:1400

 CHA:4000

 後天性スキル: 名前がありません

 出身地 名前がありません

 ―――――――――――――――――――


「ガハハハ!まーたレベルアップしてしまったぞ!」


「流石ですオークキング様。あまりの力に、槌が衝撃に耐えきれていませんよ!」


 シャープを殴った槌が直角に曲がり、板のように潰れている。


「うむ。これでは戦えぬな。頑丈な棍棒が欲しいものだ」


 傍にいたオークがそそくさと槌を受け取った。


「アジトの飾り付け、終わったそうです!」


「ほう、では早速行ってみるとしよう」



 20M後…



 黄色の上にテカテカに塗られ、建物の上部には角のようなものがとり付けられている。


「もうこんなの建ててるんだな。結構よく出来てるし」


「どうでしょう?ここまで早いのなんてツギハギで作ったとしか思えませんが……」


「おい、なんだお前らは!」


 見張りをしていたオークに見つかった。

 2人は軽く会釈をして、扉の方へ向かった。


「あ、どうも……ってなるかバカか!何勝手に入ろうとしてんのや!」


「お仕事お疲れ様です。先上がりますので」


「おーそうか、お疲れー……ってオイ!止まれ!」


 叫び呼び戻そうとするオークの声を無視して、ドアノブに手を掛けた。


「あぁぁぁクソぉ!やめてくれぇぇえ。」


 押しても引いても開かない。

 扉と地面が擦れあって音が鳴っている。


「建て付けが悪いな」


「どうします?出直しますか」


 ”人間モードへの切替”

 世界は扉を蹴とばした。


「人間モードでいくとしよう」


 蹴り飛ばした扉が、奥の壁に突き刺さる。

 中にいたオークたちは、凍りづいたように固まった。


「あのー」


 眼球だけをゆっくり動かして、互いに目を合わせている。


「動いてるのバレてるぞ」


 今度はヒソヒソと小言を話し始めた。


 なんだコイツら…。


「オークキングってやついる?この辺にいるはずなんだけど」


 世界がそう言うと、オークたちは驚いていっそう騒ぎ始めた。


「俺様が、オークキングだ……俺様の名を知っているとはな。既に全世界に俺様の名が轟いているという事だ!」


 歓声が沸く。


「いや、そう言うわけじゃないんだけど」


 奥の椅子に、ひときわ大きなオークが深々と座っているな。

 あいつか。


「せっかくのお客様だが、いきなり人様のアジトの扉をぶっ壊してくれるとは、何事か」


「ちょっと様子見に来た。もう帰るわ」


「え?」


 テルも小さく頷いて、出入り口から出ようとしていた所だった。


「ちょっと待てい!」


 床を力強く踏みつける音がして、後ろを振り返った。

 オークキングが目の前に立っている。


「様子を見に来たくらいで何扉壊してくれてるんだと言っている!」


「あ、そりゃすまん。でもあれじゃ扉というよりただの障害物だぞ」


「うるさいわ。要らぬことぬかすな!このままタダでは帰さんぞ……」


「世界さん、逃げましょう。」


「腕相撲で俺と勝負しろやぁぁぁ!」


 オークキングはそう叫び、拳を振り上げて天井に穴を開けた。

 扉の破壊はダメだけど天井はいいのか。


「ルールは簡単!トーナメント形式で、このオーク軍団と優勝を競う!もちろん俺様も参加するが、お前が優勝できずに負けたら、この場で俺様の経験値になってもらう!勝ったら見逃してやる!」


 なんだそれ、俺が勝った時の保険をかけてんな。


「世界さん、もう行きましょう。相手にすると面倒ですよ」


 嫌がるテルを横目に、


「引き受けよう」


 アジト内が沸き立った。

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