10 / オークたちのアジト
「はっ、周りは雑魚ばっかだなあ。このままレベルもどんどん上げて、俺が頂点に君臨してくれるわ!」
[生物情報 簡易版]
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総合評価A
名前 シャープ
種族 鳥竜
形態 戦闘系
Lv 8/10000
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さっき横を走って行ったオーク共を餌にするか。
ヒラヒラ飛んでいると、黄色の巨体が前方を塞いだ。
「なんだよ、死にたいのか」
鋭い牙を剥き出しにして、オークキングに威嚇して見せた。
「お前か、あいつらが言っていたのは!」
槌を構えたオークキングの豊満な腹に噛み付いた。
「血がプシャー!経験値ゲット!」
噛み付いたはずだったが、牙が腹に跳ね返された。
「は!?なんだこの腹!」
「つぇい!」
槌が振り下ろされ、叩き落とされる。
動けなくなったところ掴んで、頭上に放り投げた。
横向きに勢いよく振られた槌が、シャープの顔面を捉える。
血を吐いたや否や、消えていった。
「死んでいなければホームラン級の良い当たりだ。やはり上位種族は経験値が旨い!そして俺様は下位種族、下克上して俺が頂点に立つ!」
[生物情報]
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総合評価S
名前 オークキング
種族 人型
系統 戦闘系
形態 第二形態
固有スキル 名前がありません
Lv 26/10000
生存時間
ステータス HP:44600
STR:4000
DEX:2000
DEF:3100
AGI:1100
INT:1000
MND:2400
LUK:1400
CHA:4000
後天性スキル: 名前がありません
出身地 名前がありません
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「ガハハハ!まーたレベルアップしてしまったぞ!」
「流石ですオークキング様。あまりの力に、槌が衝撃に耐えきれていませんよ!」
シャープを殴った槌が直角に曲がり、板のように潰れている。
「うむ。これでは戦えぬな。頑丈な棍棒が欲しいものだ」
傍にいたオークがそそくさと槌を受け取った。
「アジトの飾り付け、終わったそうです!」
「ほう、では早速行ってみるとしよう」
20M後…
黄色の上にテカテカに塗られ、建物の上部には角のようなものがとり付けられている。
「もうこんなの建ててるんだな。結構よく出来てるし」
「どうでしょう?ここまで早いのなんてツギハギで作ったとしか思えませんが……」
「おい、なんだお前らは!」
見張りをしていたオークに見つかった。
2人は軽く会釈をして、扉の方へ向かった。
「あ、どうも……ってなるかバカか!何勝手に入ろうとしてんのや!」
「お仕事お疲れ様です。先上がりますので」
「おーそうか、お疲れー……ってオイ!止まれ!」
叫び呼び戻そうとするオークの声を無視して、ドアノブに手を掛けた。
「あぁぁぁクソぉ!やめてくれぇぇえ。」
押しても引いても開かない。
扉と地面が擦れあって音が鳴っている。
「建て付けが悪いな」
「どうします?出直しますか」
”人間モードへの切替”
世界は扉を蹴とばした。
「人間モードでいくとしよう」
蹴り飛ばした扉が、奥の壁に突き刺さる。
中にいたオークたちは、凍りづいたように固まった。
「あのー」
眼球だけをゆっくり動かして、互いに目を合わせている。
「動いてるのバレてるぞ」
今度はヒソヒソと小言を話し始めた。
なんだコイツら…。
「オークキングってやついる?この辺にいるはずなんだけど」
世界がそう言うと、オークたちは驚いていっそう騒ぎ始めた。
「俺様が、オークキングだ……俺様の名を知っているとはな。既に全世界に俺様の名が轟いているという事だ!」
歓声が沸く。
「いや、そう言うわけじゃないんだけど」
奥の椅子に、ひときわ大きなオークが深々と座っているな。
あいつか。
「せっかくのお客様だが、いきなり人様のアジトの扉をぶっ壊してくれるとは、何事か」
「ちょっと様子見に来た。もう帰るわ」
「え?」
テルも小さく頷いて、出入り口から出ようとしていた所だった。
「ちょっと待てい!」
床を力強く踏みつける音がして、後ろを振り返った。
オークキングが目の前に立っている。
「様子を見に来たくらいで何扉壊してくれてるんだと言っている!」
「あ、そりゃすまん。でもあれじゃ扉というよりただの障害物だぞ」
「うるさいわ。要らぬことぬかすな!このままタダでは帰さんぞ……」
「世界さん、逃げましょう。」
「腕相撲で俺と勝負しろやぁぁぁ!」
オークキングはそう叫び、拳を振り上げて天井に穴を開けた。
扉の破壊はダメだけど天井はいいのか。
「ルールは簡単!トーナメント形式で、このオーク軍団と優勝を競う!もちろん俺様も参加するが、お前が優勝できずに負けたら、この場で俺様の経験値になってもらう!勝ったら見逃してやる!」
なんだそれ、俺が勝った時の保険をかけてんな。
「世界さん、もう行きましょう。相手にすると面倒ですよ」
嫌がるテルを横目に、
「引き受けよう」
アジト内が沸き立った。




