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最後の夜明けは最愛のキミと  作者: れる
第四章 異世界の星
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94話 バケモノは

「ずみまぜん……」


 帝都の街並みの中に、一際目立つふたりがいた。片方は黒い服装、もう片方も黒。黒々しいふたりのその身なりに、その道を歩く誰もが目を丸くする。そして、目線は上へ上へと上っていき、彼の顔を凝視する。

 整った顔立ち。細かく言えば、細いながらもぱっちりとした瞳と、整っていながらもすらっと高い鼻。口角は少し上がっていて、いつも温和な笑みを浮かべている。頭髪も、不潔感がないほどに少し長め。


 超絶イケメン、というよりかは、どちらかと言えば可愛らしい雰囲気を持った青年だ。

 屋敷にいる平凡な顔つき、身長のトオルとは違い、綺麗な顔と程々に高い身長。華奢ながらも筋肉質な体は、男性ならば憧れる体つきだ。


 そんなレヴィの横に歩くのは、彼と比べると子供っぽく見えてしまう少女、リーフェンスだ。その年齢、まだ十四歳。

 思春期真っ只中の彼女は、絶賛恋愛中。その相手こそが、隣に歩くレヴィだ。


 彼女が謝ったのは、キスの件ではない。

 勢い余って彼を倒してしまい、気絶させてしまったことに対してだ。

 一瞬で気を失ったレヴィからすれば、目が覚めてすぐは何が起きたか分からない状態だった。


「いいよいいよ! そんなに泣かないで!」


「ずみまぜぇえええん!」


 状況があまり読み込めていないレヴィは、そこまで執着して謝り続けるリーフェンスの真意が汲み取れない。

 このくらい、アリスがいた時ならば毎日というほど起きていた。――毎日気絶するというのはどうかと思うが。


「泣かないで。あ、洋服屋さんあるよ? 入る?」


「……ほじいものが?」


 余程自責の念が強いのか、泣くことを止めようとしない彼女。彼女の頭を撫でながら、そう問う。

 元はと言えば、こうして外出しているのも、リーフェンスの気持ちを落ち着かせるためだ。外に出て綺麗な風景を見たり、洋服を見て回ったりしたら涙が止まるかと思ったからだ。


 リーフェンスはその気持ちなど知るはずもなく、レヴィに用があるのかと問う。

 それもそのはず、彼女には説明など全くせず、ただ手を引いて連れ出したのだから。


「いや、リーフェンスさんが欲しいもの、あればなって」


「……リーフェンスでいいです。私、まだ十四なので」


 そう、歳が四つ以上も下なのに、「さん」付けで呼ばれるなど、そうそうあっていいことではない。リーフェンスが、隣国ノーズアの女王、王女ならばそんな気遣いはいらないはずだが、生憎そんな良いことはない。


 代々リーフェンスの家系が紡いできた、レヴィへの忠誠心は鋼の如し。王女など、有り得ない話なのだ。

 だが何故、代々受け継がれてきた従者の道が絶たれてしまったのか。それはリーフェンス本人にも分からない。


「じゃあリーフェンスちゃん。欲しいものある? 服とか、靴とか」


「ちゃん……」


 「ちゃん」などと呼ばれるのは何年ぶりか。

 生まれ落ちた瞬間から「リーフェンス」と、呼び捨てにされていた。「ちゃん」付けで呼ばれたのは、幼い頃の友達くらいだろうか。

 とにかく、それくらい懐かしい気持ち。


「? どうしたの?」


「い、いえ。服ですか……私、ファッションには疎いので、よく分かりません……」


 そうは言っても、彼女が今身に付けている服装は、中々にクールだ。

 まるで騎士団を彷彿とさせる(ガヴェインは騎士団だが)、黒を基調としたマントに、白のワンポイントがスラリと入った服。そして、彼女の足の長さを一層際立てるスリムなパンツ。


 まじまじと眺めると、それなりにかっこいい服装をしているものだ。


「その服装、かっこいいけどなぁ……本当に騎士みたいで。僕とは大違い」


「れ! レヴィ様がかっこよくないなど! そんなことはございません! なんなら私がここで全部脱いで! レヴィ様と比べられなくして差し上げましょう!!!」


「そこまでしなくていいよ!?」


 そう叫んで徐に服を脱ごうとするリーフェンスを止めに入る。


 ――この子はやばい。思い立ったらすぐ行動するタイプの子だ……。


 そういうタイプの人は、とにかく興奮させないことに尽きる。どうにかして彼女が爆発しないように、見張っていなければならない。


「……まぁでも、ほら。かっこいい格好もいいけどさ、可愛らしい……ワンピースとかは? 可愛らしいと思うよ」


「ワンピース……そんなの似合うでしょうか……」


 凛々しい顔付きと、背は低いがバランスの良い体。彼女ならば、どんな服でも似合いそうだが――。

 当の本人がそうは思っていないらしく、負い目を感じているような表情を露にする。


「……ツバキ、緊急」


「はっ」

「?」


 レヴィの突然の呟きに、リーフェンスが首を傾げようとした瞬間。人混む街路の中から、颯爽と現れたポニーテールの女。

 レヴィの足元に跪き、次の命令を待つ。


「ツバキ、この子にメイクしてあげて。あと、そこのお店から可愛らしいワンピースを買って、着せてあげて。絶対似合うと思うんだ」


「レヴィ様が仰る通りかと」


 レヴィの言葉にずっと頭を下げたままでいる「ツバキ」と呼ばれた女性。ずっと頭を下げたままなのに、彼に対する尊敬の意が足りていないようにも感じられる。

 レヴィのことを敵とみなしても全く問題ないという感情なのか、それとも仮契約のようなもので結ばれているのか。

 どちらにせよ、得体の知れない女であることには間違いない。


「でしょ? お願いするよ」


「はっ」

「え?」


 そう言うと、ツバキは何も分からずに動揺するリーフェンスを素早く脇に抱え、レヴィの目にも止まらぬ速さで指差した店へと入っていった。

 ――あのツバキだ。最速で十分、いや、もっと早いかもしれない。


 ふたりが店へと消え、ひとり残ったレヴィは、静かな時間をほんの「七分間」堪能するのだった。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「あべさんあべさんあべさんぅんんんあべあべさんさんあべぇ〜……っと? どっかのオウサマじゃ〜ん」


 不思議な歌。狂気すら感じるそれが、ゴンゴンと鳴り響く鉄柵と共に狂ったパレードを引き起こす。


 レヴィが赴いたのは、ミーナが捕えられている廃屋。煤や灰、塵やごみが雪のように降り積もる中、レヴィは彼女に応えた。


「レヴィだって。それにこの国の王。忘れないで」


「ごっめんねー。ミーナ、これでも忘れっぽくてさぁ〜」


 てへっとあざとく舌を出すミーナに、愛嬌を感じる暇などない。リーフェンスが帰ってくるまでの数分間で、話にケリをつけなければならない。


「あ、そう。今日は君に話があるんじゃないんだ」


「んー? ミーナちゃん?」


 ミーナは仰け反り、レヴィのことを敵とも見なしていない様子で言った。

 まぁ、一度勝利を収めた相手だ。あのドルフがいなければあの場は制圧出来ただろうし、増してやレヴィひとりの今なら、余裕で逃げることも可能だろう。


 だが、今回は話だけ。レヴィがそう言うものだから、逃げる気力も失せる。


「そう。出来ないなら帰るけど。人も待たせてるし」


 ツバキとリーフェンスのやり取りは数分。恐らく十分前後で終わりを迎えるだろう。その間に、ミーナを――。


「いいけど、その前にひとつ話そうよぉ〜」


「……その適当な話し方を直したら。そしたら君の誘いに乗るよ」


 剣には手をあてず、しかし緊張緩和はしないレヴィに、相反して緊張などとこにもないといった様子のミーナはふっと笑いを零して言った。


「……ミーナの話し方を改めたら、か。そっちが話したいって言ったから、それに対しての対価を要求しただけなんだけど。それに、ミーナが今から話そうとしてることも、キミにとって追い風になりそうなんだけど」


「……口調、直ってるからいい」


 ミーナに乗り移っている邪精霊もまた、レヴィと似たように多重人格者なのだろうか。時々、語尾がゆるゆるの話し方から、きっちりとした普通の話し方に戻る時がある。

 どんな心境の変化があったのかは分からないが、レヴィにとっては好都合。彼女の心がプラスかマイナスのどちらかに動いたという証が見えたのだ。


「あれま、じゃあ普通に戻そうか〜? にひ」


「いいから早く話してよ。そっちも話したいんでしょ? 悪魔とそんなに長く喋る趣味はないんだけど」


 悪魔――レヴィの推測、憶測では、「彼女」は堕天使のようなもの。それもかなりの高位に居座っていた奴と見受けられる。

 でなければ、あれほどの強さのリルムを上回る技量はないだろうし、並大抵の強さではないレヴィをも討ち取ることは難しいはずだ。


「悪魔だなんて心外だなぁ。ミーナはキミのためを思って話そうとしてるんだから……それに、ミーナちゃんと話し――」


「いいから早くしろよ」


 声色が変わる。

 少し低くなった声が、今まで余裕を見せていたミーナの息を止めた。それと同時に、どっと吹き出す脂汗。だが、それを悟られぬようにするためか、それとも心に余裕が戻ってきたのか、いつも通りの喋り方に逆戻り。


「――お出ましか〜ヴェリュルスぅ〜」


「……早く」


 こうして、レヴィとヴェリュルスの主導権が円滑に進むようになったのは、昨日の出来事がきっかけだ。

 記憶を共有することが叶い、それと共に体の共有具合も同じく同化したのだ。


 今は、精神こそ安定しているが、どちらが体を動かしているのかよく分からない。


「はいはい。せっかちなこったぁ〜。じゃあまず、キミらが困ってるであろうことから」


「困ってること……? 分かるの?」


「分かるさぁ〜。だって邪精霊だもん〜」


 邪精霊がどれほどの力を持っているのか。

 他人の記憶や、考えていることを覗く力でも持っているのか。もしそうならば、もうプライバシーもへったくれもない。ただの犯罪だ。


 アリスのことを見透かされたのなら、彼女との思い出も全て――そう考えると、怖くてたまらない。

 だから敢えて平静を装い、落ち着いて。


「……で?」


「アズリサイアを取り戻したいんでしょ?」


「……」


 やはり。

 これ以上にないほどの屈辱かもしれない。


「沈黙は肯定の意ぃ〜〜……ひとつアドバイスしてあげる」


「アドバイス?」


「そそ、アドバイスぅ〜……天界に行くなら早いに越したことはないよ。少なくとも今月以内」


 予想だにしない、「今月」という言葉が飛び込み、耳を疑う。艇を作るのに三ヶ月と少し。そしてその航路を実際に飛行するのに少しの日にち。少なくとも三ヶ月半程はかかってしまう。


 それをわざわざ急かし、今月中に天界へと行かなければならない理由は――。


「……今月? なんで?」


「まぁだ気付いてないんだねぇ〜」


 いやらしい笑みを浮かべ、細く伸ばされた目が狂気を描く。


「まだ……? 何かあったの? 天界で」


 否、天界で何かが起きたのはほぼ確かだ。

 だが、ヴェリュルスの記憶にも、レヴィの記憶にも、その「何か」がなんなのか、何が原因なのか、記されていない。


「ラグナロクって言ったら分かる?」


「ラグナロク……神々の黄昏?」


 ラグナロク――所謂、終末だ。

 怪物と神々が戦争を起こし、天界が火の海に包まれるという――おとぎ話上での話のはずだが。


「そそ、それが起きてる。まさに今ね」


「……それはつまり?」


 分かりきっていることを、他人の口から聞く。天界での思い出は数え切れないほど。大切な仲間も出来たし、ヴェリュルスを助けてくれた「右腕」もいるし、大切な部下も。


 だが、桃髪の少女は残酷な天界の未来を告げる。


「天界はお〜わりぃ〜ってことぉ」


「――」


 まだ生きているであろう仲間たちが、火の海に溶けていく様が目に見えてしまう。

 言ってみれば、自分の第二の故郷。それが、今頃戦火に身を投じて――。


「言葉を失うのも無理はないかもねぇ〜。だって、ヴェリュルスの故郷が無くなっちゃうんだもんねぇ〜」


「……防ぐ方法は?」


 ない、とは言わせない。

 もしその言葉を聞いてしまったのなら、今日にでも大空に飛び立ち、艇を前進全速で飛ばし、天界に降り立ち、全力で解決策を探す。それだけだ。


「……とりま、先に言っておくけど、キミらが起こしたのも一応ラグナロク擬きなんだよ」


「ラグナロク擬き? あれが?」


 ヴェリュルスとアイラが起こした反国戦争。規模は二百対五千と、ラグナロクにしては少なかったはずだが。


「キミらが起こした反国戦争。あれが今回のラグナロクの根源だよ」


「……そう」


 ヴェリュルスを犠牲にして生き残った反国主義の連中が、ヴェリュルスとアイラの仇を取ろうとして、再び反撃の狼煙を挙げた――と、そういったところだろうか。

 こんなことなら、最初からしなければよかったと思う次第だ。


「あっれぇ〜? 正義感の強いヴェリュルス元いレヴィクンなら……ごめんなさいでも言うかと思ったのにぃ〜」


「生憎強くなったからね」


 レヴィがその言葉を返すと。


「ただの責任転嫁だって」


「黙れよクズが」


 ――。抑えきれない激情が、一気に押し寄せ、そして一気に引いていく。


 目に加わっていた物凄い力が極度に抜けていき、変な喪失感と共に全身の緊張が緩む。

 その間、ミーナは動じることなく余裕の顔を見せ、にへっと笑って言った。


「……まぁ、早いに越したことはないね。いつ崩壊するか分からないしぃ〜」


「そうか」


 そう返答すると、ミーナは少し気を失ったように後ろにもたれかかり、暫くして目を覚まして呟いた。

 儚く切なく、しかし美しく。それはまるで硝子で出来た蝶のように。


「――……レヴィ様……」


「ごめんね、遅くなった」


「助け……」


 ――て、と言う前に、レヴィは言葉を紡ぐ。


「うん。助ける。さ、早く」


「早くって……え?」


 そう言って、先程立ち寄ったジルギルドで預かった鍵を、檻の鍵穴に差し込む。

 鋼鉄を遥かに上回る硬度の檻が、その鍵ひとつで容易く開く。それをまじまじと眺めていたミーナの目の色は既に赤く――。


「君をここから逃がす」


「――ふざけてるのぉ〜?」


 “ミーナ”顕現した。

 予想と違ったのは、彼女の態度や口調ではない。彼女が逃げなかったことだ。


 これほど、隠し事の全くないような曝け出した姿。それに加えて剣に手をあてがっていない。これほどの好機がありながら、レヴィを倒して外に出て行かないのは聡明だからか、はたまたレヴィの思惑を警戒しているのか。


「ふざけてないよ。君を逃がす」


「そんなことしたらどうなるか分かってるんじゃないのぉ?」


 そうやって、ミーナがしかねないことを次々と羅列する。「逃亡」「殺人」「損壊」「破壊」色々な言葉が彼女の口から飛び出すが、レヴィはそれに臆しない。

 むしろ、彼女がそれをレヴィに悟らせようとしていること自体が、逆にこちらにとっての好機なのだ。


「分かってるよ。でも、先導役は二人いた方がいいでしょう?」


「先導役って……あまりふざけないでよぉ」


 あくまで味方と見なそうとするレヴィに、嫌悪感を纏った棘のある言葉で言い返すミーナ。それは言い返すというよりも、もはや動揺しているのを相手に伝えているのと相違ない。


「ふざけてない。君が逃げようとするなら、それはそれでいい。だけど、僕らは容赦しない」


「……ミーナちゃんの体でも?」


 人質。その作戦は飽きたと言わんばかりにため息をつき、ミーナを見つめるレヴィ。

 だがその瞳には、どことなく優しさが滲み出ている。


「当たり前だよ。そして、君をミーナの体から抜き出す方法を天界で全力で探る……君だって、痛いのは嫌いだろ?」


「嫌いだよ。けど、ミーナが逃げない理由がないじゃない。むしろ、ミーナの中の“ミーナ”を抜き出す方法を探すなんて、余計に逃げ出したくなるよね」


 彼に協力することで、自らが消えかねないのだ。そりゃあ、誰が手伝うもんか、となるのも致し方ない。

 だが、レヴィはこの交渉に必要となる記憶を取り戻していた。


「……ガブリエルに会えるかもね」


「っ! ……汚い」


「汚い手口でもいいさ。それで君が乗ってくれるなら」


 レヴィらしくない、下卑た笑みを浮かべる。ほんわかとした、ゆるゆるの表情からは想像も出来ないほどの狂気。どこからそれが湧いてくるのかと疑問に思うが、それは邪推だ。


「乗らないよ。ミーナはここにいる。逃げ出す機会をじっと探ってるから」


「……邪精霊って強情なんだね。まぁいいよ。……無理矢理にでも連れていくから」


 そう言うが、ミーナの面は晴れない。

 ずっと不満顔で、レヴィを見つめて、そして。


「……クズが」


「クズはどっちだ。死ねよ」


 まさに龍虎。お互いに滲み出た怒気、狂気、不満等がバチバチと、火花を散らしそうな程に交錯する。


「……従者が待ってるんじゃないの? 早く行ってあげなよぉ〜」


「言われなくてもそうするよ。いちいち口出しするな。だから来て」


 そう言いながら、ミーナのか細い手を掴む。いくら邪精霊と言ったって、女の子は女の子。そんな変な考えが奏功して、いつの間にかミーナの手を握る力は緩んでいた。


 だが、ミーナが驚いたのはそこではなく。


「は? 今日?」


「君を連れ出すのはね。3日以内に天界に向かう。君も準備を手伝え。サボったら全員の集中砲火が待ってる」


「……けひっ、いいよ」


 子供のような無邪気な笑顔に、溢れ出る陰謀の瘴気。違和感だらけの彼女の返答に、レヴィは素直に。


「そう、一応お礼言っておくよ。ありがとう」


「――どうなるかも知らないで……」


 ミーナの手を引き、廃屋を後にする。

 そよ風が邪魔をして、その時ミーナが言い放った言葉は、レヴィの耳には届かなかった。


「……なんて言った?」


「なんでもないよぉ? ささ、早く連れ出してよ王子様」


 何かは聞こえた。

 だが、そんなものも結局は彼女の作戦のうちなのだろうと、甘んじた考えを持っていた自分を、レヴィは後々後悔する。


「君の王子にはなりたくない」


 呟くレヴィの後ろで、紅眼の少女がバケモノの笑顔を作った。

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