驚愕!?強すぎる少女
「どうしてここにいるのよ!?」
「怒んないでなの。だって、エルファナに居ても退屈なんだもーん。だから少し散歩しようと抜け出したら、大きな衝撃音が聞こえたから来たってわけなの」
「......状況を分かっているの?」
「え? 勿論なの。魔人が私を狙ってるんでしょ?」
「知っているのに貴方って人はどう......」
「それで、君たちは?」
「ちゃんと話を聞きなさい!」
「俺はソラ。でこっちがシャエル=ルシアーネス。こっちはミラ=グr......」
「ミラ。ミラよ!」
こ、こいつ、結構気にしてんだな。ふっふっ、これはいい事を知ったぜ。
「私はシャルで良いよ」
「分かった。じゃー私はノアでお願いなの」
「うん。よろしくね、ノア」
それにしても、俺の周りには美女、美少女しか集まらないな。ノアの身長は150cm位。ツインテールで腰まである綺麗な水色の髪。シャルと同様、青くサファイアのように輝く大きな瞳。決してロリコンではないからな。本当の本当なんだからな!
「それでどうして、ソラ達はラミエルさんと一緒にいるの?」
「えーと、それはね......」
ラミエルさんがノアにここまでの経緯を伝えた。
「頼りにしているなの。じゃあソラのステカを見せてなの」
「その前に一つ聞いて良いかな?」
「うん。良いよ」
「魔物以外の魔人とかを倒してもレベルって上がるのか?」
「勿論上がるよ。けど、それは非効率的なの」
「というと?」
「魔人を倒すより、強い魔物を倒した方が10倍位は上がるの。これを見て」
俺はノアからステカを受け取った。ステカに示された内容とは......え、嘘だろ?
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シノアス=システィミア 14歳 レベル99 エルフ
体力1700
MP3000
魔力3800
筋力400
守り1500
使用可能魔法
召喚(蒼龍サフィジアス) 大円光
サンダーボルト アクアフェニックス
特殊能力
定められし者
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-召喚-
倒した魔物に自分のMPを注ぎ、適応すれば従わせることが可能。 消費MP自身の全てのMP
-アクアフェニックス-
水系 上級魔法。水属性の巨大な鳥を召喚し、相手を攻撃する 消費MP500~1500
-大円光-
光系 上級魔法。自身を中心とする半径50mの魔法陣を作り、その範囲内の相手の視界を奪う(魔族、ゴーストには超ダメージ追加) 消費MP300
-サンダーボルト-
電気系 上級魔法。極大の電気で相手を感電させる(付属ダメージ50) 消費MP500~1500
-定められし者-
自身が定めた者と自身の動きを完全に封鎖する。
「えーと、強すぎません?」
「......私達が守る意味が分からないわ」
「すごーい!ノアって強いんだね」
シャルとノアはお互いに手を取り合い、キャキャ飛んでいる。強いってどころじゃないだろ。まずレベルが99って多分、MAXだよな?それと蒼龍サフィジアスってなんだよ。超強そうじゃねーか。
「えーとノアさん? 幾つかの質問宜しいですか?」
「良いよ。けどなんで敬語なの?」
「タメ語など滅相もない。それで質問なんだけど、まずそのレベルについて。それとお飼いになっている蒼龍さんについてお願いします」
「わ、分かったなの。まずレベルについては......」
ノアの話によると、エルフの森に誰も知らない、ある場所に転移できる所があり、そこにいる魔物を蒼龍サフィジアスが倒したら一気にレベルが上がったらしい。蒼龍サフィジアスは、ノアが小さい時に森で卵を拾い、孵化したらしい。そして、蒼龍サフィジアスはドラゴンの中でも最高位の位置にいるらしい。
「それじゃあ次はソラのを見せてなの」
「分かったよ」
幼い少女より弱いってのは恥ずかしいな。などと思いながら、俺はノアにステカを渡した。
「......こ、これは、占いのお婆さんの言う通りなの」
「ん?何か言ったか?」
「ううん、なんでもない。でもソラも後ちょっとで私と同じレベルなの」
「え?いやまだ結構あると思うけど」
「だって今、レベル78なの」
「......嘘、だろ?」
俺はノアから自分のステカを受け取り、そこに示された内容を見た。ふぇ?なんで? ────────────────────────
神崎 天空 16歳 レベル78 ゲグル
体力3400
MP3200(吸収可能4000)
魔力3200
筋力3600
守り2900
使用可能魔法
ファイアフェニックス サンダーボルト 鎌鼬
アイスニクス ダークキルヘブン シャイニング
特殊能力
魔法吸収(強化) 吸収魔法取得 魔法感知 超再生
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「それじゃあノアちゃん、エルファナまで案内してくれる?」
「え? ラミエルさんがすれば良いなの」
「私は疲れたから、お願いノアちゃん」
「それなら分かったなの。みんな付いてきて」
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俺達はその後、一時間近く歩いて、エルファナに到着した。
「みんな、おかえりなのー」
「村長はどこにいますか?」
「おかえりなさい、ラミエル。村長は今、温泉で休んでると思うよ」
「ありがとう。それじゃあ、ソラ君達も付いてきて」
凄い神秘的だなー。村の中央には大きな木があり、その木の周りにはキラキラした緑色のオーロラがあり、全ての建物は木製で出来ており、そして、ここに住む人達の温かさが人目で分かった。ラミエルさんが帰ってきたと知ったら、村人全員が家から出てきて、ラミエルさんにおかえりと声を掛けていた。まぁノアは少し叱られてたけど。エルファナには言葉では表せない優しいさ、安心感があり、ここに住めばどんな人でも優しくなれる気がした。
そして俺達は村長に会うため、村の中央にある大きな木の地下の温泉へと向かった。
「ラミエルさん、ちょっとお話良いですか?」
「良いですけど、どうして耳元でなんです?」
「他の人には聞かれてはいけないからですよ」
エルファナに温泉があるとは予想外だったが、これは大チャンスなイベント発生の予感がする!そこで俺はラミエルさんに温泉で一番大事な事を聞いた。それは......
「あのー、ここって混浴ですか?」
「えーと、もう一度お願いします」
「あのー、ここって混浴ですか?」
「残念ですけど、違いますよ。温泉は一つしかないので、時間で分かれているのです。男は八時~九時、女は九時~十時です。」
「いやー良かったー。混浴だったら最悪だったよ」
「ふふふ、それは良かったですね」
はぁー、混浴じゃないのか。覗きなんかしたら、絶対ミラに殺されるし、仕方ないか、諦めよう。
「凄い! 大きな温泉だね。後でみんなで入ろう!」
「うん。みんなで入ったら楽しいなのー」
「えぇ、そうね。疲れたから丁度良いわね」
シャル、ノア、ミラは三人で楽しそうに話しているが、俺は仲間はずれか......よし!一応聞いてみるか。もしかしたら許可を貰えるかもだしな。
「ねーねーシャルー、僕も一緒に入りたいなー」
「うん。良いよー」
「そんなこと分かってたよ無理だよな......え? 良いの!?」
「だってみんなで入った方が楽しいでしょ?」
「ノアも一緒でいいなの」
「クスッ、クスッ、二人もありがとう!」
「ちょっと、なに勝手に決めているのよ! 良いわけないでしょ! 私は断固拒否です」
忘れてた。ミラがいたのか。ミラが許可してくれるわけがないよな。まぁ良いよ、こんな綺麗な温泉に入れるだけで満足だよ。だって温泉までオーロラが出てるんだよ。本当に満足だからいいもん!
「分かったよ。諦める。けど今度家で一緒にお風呂に入ろうね、シャル」
「お家で?......分かった」
「何を言っているのシャル! 駄目に決まっているでしょ」
「私は別に平気だよ? もしかしてミラも一緒に入りたいの?」
「な、なわけないでしょ! じゃあ好きにしなさい! 大事な初めてが取られてもしらないんだから!」
「......なぁミラ? 取られるって何が?」
「な、な、何でもないわよ!」
なに、自分で言って赤面してんだよ。いやー新たなミラ発見したぜ。
「あれ? 村長が居ない」
「本当なの」
というか、みんな普通に入るなよ。村長って男だろ?失礼過ぎるだろ。
「みんなはここで待っとけよ。村長が可哀想だろ。女の子に裸体を見られるってのは。だから俺が奥まで探してくる」
「え? ちょ、ちょっと待ってください!」
「あーあ、行っちゃたなの」
「なにか問題でもあるの?」
「じ、実はね......」
あれ?本当に居ないなー。あと探してないのはここだけか......あ!あそこに人影が。
「すみませーん。村長ですか?」
「ひっ、そ、そうですけど」
......おかしいな。女の人の声が聞これるのだけど。いやーまさかね。有り得ないよな。
「キャーーーー、覗きーー!」
「ち、違うんです! まさか村長が女の人なんて知らなくて!」
「言い訳は不要です!」
俺は村長に、風系魔法で盛大に吹き飛ばされた......いつも、いつも、不可抗力なのに。
次回の更新も月曜日の16時の予定です。