彼からのプレゼント
データとかが全部消えて、(書く予定だったのも消えた。)一から紙に書き直してます。
多少時間がかかりますが、進めますのでお待ち下さい。
………本気で消えたと分かった瞬間、喪失感と脱力感が半端なかった………
一方、体の外では………
「長いなー、智樹の奴」
「何やってるのかしら?」
目を閉じたまま一向に動かない2人を前に、眺めていた。
だが………
「…暇だな」
「信也君?勝手に遊びに行っちゃ駄目だからね?」
春奈が釘を刺す。
「行かねえよ。それよりも………」
信也は懐から筆と墨のような物を取り出した。
「信也君?何処から出したのそれ?」
この世界では、羽ペンが一般的です。
「秘密だ」
そう言いながら筆に墨を付けて、その筆先を江見の顔に近付けていく。
「止めといた方が………」
「バレたら江見の仕返しが怖いわよ?」
だが、皆の言葉を無視して筆を進めていく信也。
「馬鹿だなあ、リスクが有るからイタズラは面白いんだろ?」
鼻歌交じりにスラスラと筆を滑らせる。
「智樹君にはやらないんだね??」
「………前やったらボコボコにされて、暫くノートとか宿題見せてくれなかった」
「当たり前だよぅ」
「………江見にイタズラしたら、ボコボコ処かバキボキにされると思うけど?」
「まあ、何とかなるだろ?」
「知りませんよ………」
少しして、ゆっくりと瞳を開ける江見、慌てて飛び退く信也。
「んー、何か体がバキバキ言ってる気がする………春奈?それに皆?何で笑いを堪えてるのよ??」
江見の周りには、吹き出しそうなのを堪えていたり、背中をプルプルと震わせている皆が居た。
ちなみに
今、江見の顔は瞼の上に目が描かれて(昔の少女漫画風)、口の周りには昔の泥棒のようなヒゲ、額に(肉)の文字。
の落書きだらけであった。
そう、信也はえみの顔に落書きをしたのである。
お前はいくつだ………
「何よ?皆変ね??…何か顔が変な感じ………」
ゴシゴシと顔を腕で擦る江見、すると当然腕には真っ黒いものが着く。
「………何これ?…ッ!ちょっと皐月、今私の顔に何か着いてる?」
真面目な声を出して問いかけるが、イタズラされた顔で聞かれると…
「…ブフッ!や、止めて江見、今その顔で話し掛けないで………」
一瞬で表情が崩れ、口に手を当てて笑いを堪えている。
ちなみに、春奈は江見の方を見ないように顔を背けているが、顔と耳が真っ赤で堪えているのが丸分かりだ。
メイドさんは、笑いすぎてお腹を抱えてヒュー、ヒュー言っていた。
「し・ん・や・あああああああ!!!」
叫んで信也の方を向くが、もうそこには信也は居なかった。
かなり遠くの方へ走っている。
江見が気が付いた瞬間、一目散に逃げたのである。
「待ちなさい!コロス!!」
その信也を、鬼の形相で追い掛ける江見であった。
それから暫くして、ボロ雑巾のようになった信也と、袖をまっ黒にし、まっ黒な顔で憤慨しながら信也を引きずる江見が帰ってきた。
「お帰りー」
「遅かったね。あー、信也君ボロボロだね」
「反応が淡白ですが、良いんですか?あの方ボロボロですよ?」
「自業自得でしょ」
「「うんうん」」
そんな皆の前にポイッと信也を投げ捨てる江見。
「………力と、早さに…磨きがかかったな…江見」
「短い期間、鍛えて貰っただけなんだけどね!!」
「いてえ!これ以上殴るな、死ねる」
それが彼等の持つ(超成長)と言う特性である事に彼等は全く気が付いていなかった。
「う~ん………」
2人がそんな事をやって帰ってきた頃、智樹は意識を取り戻した。
ちなみに、そんな様子の智樹を皐月と春菜はじっと見つめていた。
「………おはよう、あの、何か僕の顔についてる?」
「え?いや、何でも無いわよ?ね春菜?」
「う、うん、何でも無いよ智樹君」
そんな時にズルズルと信也を引きずりながら、江見が戻ってきた。
「あ、お帰りなさい早かったですね」
メイドの子はそう言っているが、春菜の方を見ようとはしていない、何故か顔を背けている。
春菜や皐月でさえもそうだ。
しかも顔を赤くし、プルプルと肩を震わせている。
「?皆一体何が………………ブフッ!!」
江見の顔を見た瞬間理解した。
額に(肉)とか髭とかの落書きは絶対信也だ。
江見ちゃんの手元でボロ雑巾のようになってるし、だから笑っちゃいけない、イタズラされたんだから笑っちゃ行けないんだけど………
「何よ」
「ブフッ!!ゲホゲホゲホ!ヲッホッフ!」
「笑いすぎ!!」
「ギャア!我慢出来るわけ無いだろ!アハハハハハ!おっふ!」
「ウルサい煩い煩い!兎に角笑ったらぶつ!殴る!」
「それいつもじゃないか!」
「きゃははははは」
「駄目、もう我慢出来ない」
「駄目ですよ、笑っちゃ………プフフ…」
「あんたらー!!」
そうして、江見を鬼とした鬼ごっこが始まった。
片や顔にイタズラされたまま、片や笑いながら腹を抱えて必死に逃げ回る。
そんな奇妙な光景がそこで繰り広げられていた。
ーー少ししてーー
「ヒー、ヒー、………笑いすぎと走りすぎで脇腹が痛い」
「だから、笑うんじゃない!」
顔を水で濡らした布で拭いている江見。
他のメンバーも、息も絶え絶えに地面に転げている。
「………ハァー、ハァー………にしても何処で手に入れたのよ…ゲホッゲホッ!」
「咳き込むまで笑う事はないでしょうが!!」
江見は最早涙目だ。
そんな江見を傍ら、信也は語った。
「作った」
「「「「は??」」」」
思わず全員から疑問の声が上がる。
「正確には(創った)だな、魔力?何か体に流れてる力を意識して、それを掌で貯めながらイメージを固めながら収束。城の魔法使いの人に少し教えて貰ったら出来た。何でかその後、その人下を向いてブツブツ言ってたけど?」
「当たり前だ!」
「痛え!」
智樹が信也を後から思い切り叩く。
「何で(物質創造)なんて高度な魔法をホイホイ使えてるんだよ!その人が自信無くして当然だよ!」
「いやでも、これ(魔力の持続消費)しないと出来ないから未完成だぞ?」
「(物質創造)の時点でアウトだよ!それに何が未完成なんだよ!」
智樹がそう言うと、信也は分からないといった表情で話しだす。
「(魔力の持続消費)は創った品物に比例した魔力を消費して、その品物・生物を元の魔力に自分に還元するまでその分の魔力は永久に減る。完全版は自分の魔力と大気の魔力を融合させて創るから、消費しても時間が経てば魔力は戻る。品物や生物も完全に自立する。」
「何でそんなに詳しくなってるんだよ!!普段学校の授業とかは、欠伸しててまるで聞いてないのに!」
「勉強より面白かったから徹底的に調べた。」
「………そうだよな、お前は興味が湧いたら徹底的に調べるけど、興味湧かなかったら見向きもしないもんな………」
智樹はガックリと肩を落としていた。
下手に波風起こさないように見張っていたのに………コイツがこんなに興味を持つなんて予想外だ。
他には誰も問題無い………よね?
智樹は祈るような気持ちで、願ったのだった。
そんな時である。
何処からか突風が町を吹き抜けた。
「にゃ!」
「キャ、髪の毛が」
「ヒャアアアア!」
皆、髪の毛がバサバサとなったり袴を押さえていた。
そんな中、智樹は風の中に声を聞いた。
時間にして短い時間だろうが、かつて聞いた事のある声を…
「(お帰りアース)」
え
今の声は………そんな筈はない。
アイツは………遙か昔に居なくなった筈、人間としては死んであの場所で………
「(ああ、驚きましたか?あれからもうかなり年月が経って、流石に自我がある程度保てるようになったんですよ。)」
「(保てるようになったってお前………アルデスト!何で俺が僕だと………)」
そう、仲間を守る為に世界樹に成り果てたかつての仲間。
「(話をしたいのは山々なんですが、今の私には時間が無いので返すものとプレゼントだけ渡しておきますね。)」
驚きで頭がいっぱいになり、頭が真っ白になった。
聞きたい事もあった。
謝りたい事もあった。
話したい事はある筈なのに、言葉が出てこない。
嬉しくて。
悲しくて。
涙が出そうで………。
「(最後に別れたあの場所で、待っていますね。)」
「(アルデスト!待って…!)」
次の瞬間、強風が僕ら(・・・)に叩きつけられた。
「くっ!」
激しい頭痛と関節の痛み、更には体がギシギシと悲鳴をあげ始めた。
「(ぐああああああ!!こっこの痛みは………)」
「(強制的に、自分の覚えるスキルや技能の容量を増やす技能だ。君達なら耐えれる筈だ。)」
周りを見ると、皆が悲鳴を上げてへたり込んでいる。
「(お前!俺ならまだしも皆には…)」
「(大丈夫、絶対に耐えれる。それに今の彼は少々怠惰みたいだからこれ位しないとね。)」
「(何の事を………)」
「(それでも心配なら、少しの間抱きしめてあげれば良い)」
「(なっ!)」
「(待ってるよ)」
そしてアルデストの声は途切れた。
どうしろって言うんだよ。
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