表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染は魔王でした。私は勇者のようです。  作者: うらぎった
過ぎ去りし日々...そして<破滅の魔王>の名の切欠(きっかけ)
44/47

封印されとけ。

色々有りましたが、リアルが多少落ち着いたので再会します。


また何かあるかも知れませんが、死なない限り遅くても更新しますので悪しからず。



《江見》


智樹の様子が何かおかしかった。

メイドさんが2人の魔王の話をし出した途端に、気配が険悪に変わった。


何なんだろう?


智樹の前世が魔王って言うのが関係してるのかな?

分からないけど、智樹にそんな険しい表情は似合わないと思う。


それと、何でだろう?

苦しんでいる智樹を見て、胸の奥が何か詰まる感じがする。

何で?


分かってる。

今の私じゃあ智樹の力には何にもなれないって事に気が付いたから。


小さい頃は、弱い智樹を私が庇っていたけど、いつの間にか立場は逆転してきてる。


「(魔王がどうなろうと、どんな感情を持とうが関係無いではないですか)」


うっさい、黙れポンコツ勇者。


「(ぽぽぽポンコツとは何ですか!ポンコツとは!!)」


煩いわよ。エレナだがエリナだがエロエロだが知らないけど、私の中で智樹を馬鹿にすんな!


「(相手は《魔王》ですよ?貴女は《勇者》真逆すぎます)」


(元)だから言ってんでしょ!もう智樹は魔王じゃないの!

本当に前の勇者って馬鹿じゃないの?


「(ま………また馬鹿って言いましたね?偉大なる《勇者の称号を持つ私を!》)」


………偉大…フッ


「(貴女、今鼻で笑いましたね?許しません!尋常に勝負しなさい!!)」


体が無いのにどうやって勝負するのよ。

それに、何かアンタとは面倒臭い気がするから嫌。


「(ムキー!人の体が無いからって調子にのってますね!良いでしょう決闘です!)」


…体が無いのに、どうやって勝負するのよ?


「(忘れてましたー!)」


こんなのが前の勇者なんて、凄く嫌だ。

智樹もよく我慢したよね…感心するわ。


「(だから、馬鹿にするんじゃ無いです!)」


私は何か言ってる私の中の人の言葉を、少しの間スルーした。


すると、何故か頭に鈍痛………殴られたような感覚が襲ってきて、足下がフラつく。

皆が心配そうに声を掛けてくるので、我慢するけど…今何が起こったの?

周りには殴った人の気配は無いし………


「(よし!攻撃が通じました!力と意思を込めれば良いんですね!!)」


ア・ン・タ・かあああああ!!いきなり何してくれてんのよ!痛いじゃないの!何考えてるのよ!!


「(人の事を無視するからです!)」


………ほっほ~う、良い度胸してんじゃないのよこの喪女!!ノータリン!


「(ムキイイイイ!誰がですか!誰が!!)」


アンタよアンタ!


「(もう許しません!お仕置きしてやります!)」


返り討ちにしてやるわよ!!


「皆ごめん、ちょっと体を任せたわよ」


そう言いながら私は、近くに寄りかかりそのまま意識を、私の中の相手に向けて戦いを始めた。


ー外ー


「とっ智樹君、江見ちゃんがいきなり意識を失ったと思ったら、白目で体をガクガクさせて怖い!」

「ちょっと!江見、しっかりしなさい!!どうしたのよ!?」

「江見さん病気持ちか何かですか?」

「いや、アイツは至って健康体の筈なんだが………」


そんな皆を尻目に、智樹は落ち着いた表情で江見を見る。

と言うか、江見を見て一気に頭の熱が下がった。


「(…ああ、多分これ江見ちゃんとエリナが心の中で喧嘩中だな)」


と納得している。


しょうが無いなあ………


僕達は慌てて宿屋を一部屋とると、皆に集まって貰った。


「皆、悪いけど集まって、特に春奈は迷子にならないようにこっちに来て」

「私、そんなに子供じゃないもん!」

「はいはい」


春奈の言う事を聞き流しながら、僕はブツブツと呟きながら、足で皆を中心に円を書く。

久々だから上手くいくかな? 


「この場を一時、理から外せ(隔離結界)」


すると、足で線を引いた内側に薄い膜のようなものが現れ、包まれる。


「なんだこれ?」


信也が触ろうとするが、手はスカッと空を切る。


「隔離結界?簡易ではありますが、こんな事が可能なんですか?」


そんな大袈裟な………


「町や村を覆う結界の簡易版みたいなもんだよ。範囲も狭いしね」

「…結界師でも無いのに、簡単に出来るものでは無いと思うんですが………」


多少気になる言葉を聞いたけど、今は江見ちゃんを何とかしよう。


「じゃあ、すこしだけ皆任せたよ。行ってくる」

「行ってくるって何処に?」


智樹は江見の肩に手を置くと、そのまま体を江見に預ける。


「(江見ちゃんが意識が無くて良かったよ。普通なら殴られてたもんな)」


少し強張る体を意識しながら、智樹は江見の心の中へ入っていった。



ー(深層世界)ー


智樹は空間をゆっくりと飛んでいた。

白い世界を、何処からか吹く風に逆らいながら、まあ、実際は精神世界なので、そう感じているだけなのだが………


風に逆らいながら進むと、何やら言い争っている声が聞こえてくる。

おそらく、もう少ししたら江見のいる場所に到達出来る。

そう感じ、進んでいくと聞き覚えのある2人の声が近付いてきた。


「むぎぎぎぎ………いい加減に…降参ひ(し)なは(さ)いよ!このスカタン!」

「ふにににに!だっ………誰が…スカタンでふ(す)か生意気な!」




………なんだろう?精神世界で引っ張ったりつねったりしてる姿を見て(まだ余裕があるなコレ)と思えるのは…


まあ、いいやさっさと江見ちゃんの意識を戻させて、帰ろう。


「江見ちゃん、帰るよ」


そう声をかけると、ハッと気が付いた江見ちゃんはこちらに振り向く。


「ちょっと待って、コイツどうにかしないと私の日常生活に支障が出る」

「コイツとは何ですかコイツとは!」


あー、確かに何とかしないとね。でも、何でエリナが江見ちゃんの中に?………


「あによ!」

「何ですか!!」


いや、今はエリナを抑えないと面倒だ。


智樹は指で中空に何かを描き始めた。


「(そのまま注意を向けないでくれよ…よし、封印術式を組んだから口頭発動で強化して)…理に外れし汝の存在を今封印す<封印封呪>」

「このチンクシャが………え?キャアアアア!」


普通はこんなにご大層な、面倒な事はしないんだけど今の僕とエリナでは力量が違うからなぁ。

エリナは足下に現れた陣にゆっくりと沈み込んでいく。


「ギャーーー!!なんて事するんですかこの人はー!」

「良いから、江見ちゃんの邪魔になるからとっとと封印されようね」

「それが元は共に旅をした仲間のする事ですか!」

「だからこそ、絶対にロクな事にならないと理解してるんだよ。早く入る」

「イヤー、押し込まないで、押し込まないで!!」


ガシッ!


「え?」


腰の辺りまで、陣に飲み込まれたエリナが咄嗟に手を伸ばすと、偶然にも江見ちゃんの足首があり、捕まれていた。


「嫌ですー!死なば諸共ー!!」

「ギャーーー!!人を巻き込まないでよ!1人で沈んでなさい!離せ、離しなさいー!」


江見ちゃんがエリナをガスガスと蹴っているが、構わずにエリナは江見ちゃんを掴んでいる。


あ、蹴っていた足を掴んで、江見ちゃんが両足持たれた。


「ギニャー!離しなさいよ!私まで沈むじゃない!!」

「言ったでしょう!!死なば諸共です!アナタも一緒に封印されなさい!」


だが、沈んでいくのはエリナのみであった。


「いやー!!何で私だけ沈んでるんですか!?」

「そりゃエリナのみに指定して封印を掛けたからね」

「やめてー!封印しないで!」


ガシッ!


「だー!摑むんじゃない!痛い痛い痛い!」

「だったら早く解きなさいよこの封印術式」

「こうなれば………」


智樹は突然指をワキワキとさせ始めた。

まさか私?何で?


そう思いながら体を硬くした江見だが、その矛先は江見には行かなかった。


行き先は………


「ニャーーー!止めて止めてめてこの状況での脱力は…ァーー!」


あ、一気に首までになった。

ちなみに、どさくさ紛れで力任せに引き剥がした。

そのままズブズブと沈んでいくエリナ。


「よし、そのまま早く沈もうな」


すると、シクシクと泣きながらエリナは、何かを呟きながら沈んでいく。


「シクシクシク………酷いですよぅ…そりゃ酷い事はしましたけど…でも………」


そしてエリナは沈んでいった。

何かを言ったようだが、智樹には聞こえなかったし気にしなかった。


でも、江見は違った。


聞こえたような気がしたのだ。

最後に言った言葉が、それは………



それでも慕ってましたよ。







エリナ「負けるもんですか~、いつか復活してやる~」

???「そこのヌシ煩い。黙っておれ」

エリナ「ギャン!」


良かったら、

感想、ご希望、要望、指摘、等々有りましたらお寄せ下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ