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幼馴染は魔王でした。私は勇者のようです。  作者: うらぎった
過ぎ去りし日々...そして<破滅の魔王>の名の切欠(きっかけ)
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気の毒な、昔の知り合い

何かもう少しで掴めそうな、変な気がする。

ー皐月ー


春菜って狡いわよね。

何だかんだ言って、智樹君に守られてるし......ほわほわ~っとしてる癖に、抜け目無いんだから。


こんなんだったら、ポンコツ江見なんかを警戒するより、春菜の方が厳重注意じゃないの!!(ポンコツ言うなー!)




ー江見ー


何で私はこうなってしまったんだろう?

智樹が大好き、それは自分でも分かってる。

でも何?智樹を意識したら体温が上がっちゃうし、今さっきから変なオバサンの声が聞こえるし(誰がオバサンですか!)いやー!また聞こえた~、助けてー!

取り敢えず今は、この縛られてる状況と、智樹の側からヘルプミー!




ー春菜ー


えへへへへ......///智樹君に抱き締められちゃった///


何か智樹君の様子が変だったけど、いいかな?ちょっと大人っぽくて、このまま江見ちゃんを押し退けて、私が智樹君の隣に...なーんて、キャー/// (只今春菜の心の中はお花畑になってます)




ー信也ー


おいおいおい!智樹の奴まさかまさかの、路線変更、ヒロイン変更か?(イヤー!)

ん?何か聞こえた気がするが、まあいい、しかしそれは正解かもな。

顔だけはいい江見じゃなくて、ちょっと抜けてるが可愛い系の春菜の方が......ん?何だ?凄い殺気が......




ーメイドさん(イリス)ー

うわ~、大胆ですねー、私より年下の男の子があんな大人びた表情をするなんて......私もいつか誰かからあんな風に......




ー智樹ー


僕の体にいったい何が起こっているんだ?

いや、昔の記憶が少しづつ戻ってきているのは分かるんだけど、それでもあんな......柔らかかったなぁ春菜...って何考えてるんだよ僕は!子供じゃあるまい......だー!そうだった!今の体は子供なんだったー!


......にしても、何で今頃になって彼女等を思い出すんだ?

まるで手の届くところにいるかのような?





ーーーーーーーーーー


そしてそんな風に各々思考にふける中、江見に変化が現れる。


「(仕方ありません、魔王を滅ぼす為にこの体を使います!)」

「(は?いきなり何言って...?)」


キンキンキンキンキンという音と共に、江見の体が光り始めたのである。


「うわっ!眩しい!」

「何よこれ?」

「眩しいー」

「何ですかこれは?」

「これはまさか?」



その中で智樹だけが、それを理解していた。


集光法(しゅうこうほう)?何で江見ちゃんが使ってるんだ?まだ使えない筈だ」


そして江見の体を使った誰かは、そのまま何かをしようとする。


「(不味い!)」


咄嗟に江見から体を離す智樹、だが、江見の体から放たれる光のトゲがかすったのか、頬からジュウウ...と闇の力が僅かに消えた。


「(全方位型の光棘槍(ライトローズスピア)?これも、今の江見ちゃんには出来ない技だ。誰だ?江見ちゃんの体を使ってるのは)」


光を使って戒めから脱出したそれ(・・)は、右手の手刀に光を纏わせ、襲い掛かってきた。


「魔王アース!今度こそ消滅しなさい!」

「その声は...」


まさか彼女はあの時の......


呆然とする智樹に向かって、降り下ろされようとする光の手刀、だが......


「このアホ江見!何してんのよ!」


早めに回復した皐月が、アイテムボックスから何かを取り出した、先に重りがついたロープを投げ、それを江見の足に絡み付け、それを思いっきり引っ張った。


まあ当然の如く......



「ギャウン!」


......顔面から床に叩き付けられた。


「いたいー!痛い痛いイタイー!」


顔を抑えながら転げ回る彼女、いやまああれはかなり痛いよね。


少しすると、ゆっくりと立ち上がる江見ちゃんの体を使っている彼女、あ、でもまだかなり痛いのか顔が赤いし、涙ぐんでる。


「くっ!卑怯なり魔王!!」


イヤイヤ、今のは僕じゃないからね?

つーても分からないよね、彼女...エリナの性格じゃあね。


「覚悟!」


クイッ!


ビターン!


ムクリ


クイッ!


ビターン!



起き上がりこぼしか!

と言うか、何で足元に絡まったロープを取らないで起き上がろうとするんだよ!


仕方がない、さっさと取り抑えよう。

江見ちゃんの体が心配だ。あのバカちんエリナは、どっかの自称脳筋賢者と、張り合える頑丈さだったけど、江見ちゃんの体は違うからなあ。



ー当の江見の中ー


「(イタイー!痛い!あんたバカなの?何で同じことやってんのよ!先にロープを離しなさいよ!!)」

「(バカとは何ですか!言った方がバカなんですー)」


べーっと江見に向かって舌を出す、セミロングの金髪の少女、ちなみに瞳はライトグリーンである。


そんな江見達を余所に、智樹はボソボソと皐月や信也達と何かを話している。


「(魔王の小細工であろうが、食い破るのみです!)」

「(だから!アタシの体なんだから出ていってよ!アタシの体で好き勝手しないで!)」


だがエリナは、全く江見の言葉に耳を傾けなかった。


「今度こそ!覚悟!」


起き上がった江見ちゃんの体のエリナが立ち上がる。


皐月がいい?とタイミングを目線で確認してくるが、まだだと押し止める。

ちなみに、皐月が使っているロープは捕縛用なので、簡単には外れないのだ。

まあ、魔法や武器で切れば良いんだけど......それすらしないままやって来る。


この脳筋ボケボケ娘め!


「ちなみにさ」

「覚悟!」


人の話はちゃんと聞こうね?


相変わらず人の話を聞かないし......本当に一緒に旅をした時のままだ。


「お前は誰の体を勝手に使ってる訳だ?エリナ?」


そう言いながら、エリナに向かって殺気を放つ、それと同時に足元の影を伸ばし、江見ちゃんの影と重ねる。


そして縛りに入る。


「影絡み、影縛り」


江見ちゃんの足元から、幾つもの長い影が体にまとわり着く。


「こんなもの!」

「春奈」


僕がそう言うと、春奈は手に持った何かを、言った通りに江見ちゃんとは真逆に投げた。


「フギャ!」


......何でそれで江見ちゃんの顔面に当たるのかがよく分からないのだけど...まあ、兎に角成功だ。

ちなみに、今投げたのは訓練用に作られた球体で、当たればかなり痛く感じて、意識が飛びそうなほどクラクラするのだが、何発当たっても実際の怪我はしないし、死ぬ事はない。


...まあただ、なん十発もそうやって痛みを(認識)させて、長い時間朦朧状態のままで球を当てられるのは拷問だと思う。


ちなみに発案、開発者はジーハとの事。

...何でこんなもん作ったよお前......


「皐月!信也!」


そして、皐月がそのままロープで上から縛り、「不動止鎖(ふどうしさ)!」


更にその上に、信也の土魔法で魔法の鎖でがんじがらめにする。


「...まさか、最初に味方に使う事になるとは思わなかったわ...」


全くだ。


でも、念の為最後に使っておかなければ。


「続けて言って、連結(チェイン)

「「「チェイン」」」


すると、ガンガンガンガン、ガシャガシャガシャガシャ、と言う組上がる音と共に、魔法とロープが組合わさる。


「お~~~、かっけー!」

「何か目茶苦茶重そうだね」

「何か全体的に黒くて、魔王か、悪の魔法使いみたいね」

「あー、確かに今はそんな感じに見えますね」


よし、(合成練魔)成功だ。

この魔法の利点は、使う全員から少しづつMPを出しあって使うので、最初から使う事が出来る。


更に、色々混ぜるので性能も向上、同じ様な魔法や道具を混ぜると更に向上。


今江見ちゃんの体を縛ってるのは全部同じ用途だから3倍所ではない。


今もエリナは魔力を込めて、戒めから開放されようとしているが、僕らの魔法がバチバチと反発している。


「くっ!このような辱しめを受けるとは......」

「煩いバカエリナ」

「ばっバカじゃありません!バカって言った方がバカなんです!」


子供か!


「じゃあ脳筋エリナ、ボケボケエリナ、アーパーエリナ」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!何でそんなに私の事をバカにするんですかー!」

「本当の事だから」

「うわーーーん!」

「大体、ジーハもそうだけど、お前も着いてる頭を殆んど使ってないよな」

「使ってますよ!」

「言い間違えるなエリナ」


智樹はハッキリと言い放つ。


「お前はもう生きていない、それは江見ちゃんの体だお前の体じゃない、お前は頭を使ってなかった(・・・・・・・)だからな」

「ムキー!使ってたって言ってるじゃないですか~!」



「ほぉう?」


蔑んだような瞳で、智樹は江見を......いや、エリナを見る。

その後、仲間の方を見ると、両手を広げて話し出す。



「はーい皆さん、ここでいきなりですが昔話をさせて貰います。題名は(ヘッポコ勇者と苦労人の魔王)です。」

「ヘッポコ勇者じゃないです!」

「じゃあ脳筋勇者」

「ムキー!」

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