幼い頃の思い出。(春奈)
色々ありましたが、まあ何とか処理して生きてます。
これからボチボチ(まあ遅筆ですが)書いていきます。
後、今回のメインは彼女です。
まあ、短めですがそこはご容赦を。
<春奈>
いつからだろう
彼の姿を見る度にその姿を目で追うようになったのは
いつからだろう
彼が居ればどんな時でもどんな場所でも安心できるようになったのは
智樹君は私と江見ちゃんの近所に住む昔からの顔なじみ、いわるゆ幼馴染っていうやつだ。
最初彼を見た時は凄く小さい頃、何だか暗い顔をしてたのを覚えてる。
何か嫌な事があったのかな?と思ったんだけど、私はその時どうすればいいのか分らなかった。
その内江見ちゃんが何かしたんだろう、暗い表情が消えてた。
江見ちゃん凄いなぁって思った。
それから3人でよく遊ぶようになった。
でも智樹君はおままごととかやる時はかなり渋ってたような気がするの、恥ずかしかったのかな?
まあそれでも、ちゃんとやってくれてたんだけどね。
そんなある日の事だった。
公園で遊んでいたんだけど、江見ちゃんは少しお花を摘みに行って、彼は喉が渇いたので水を飲みに少し離れた蛇口の方へ行った。
そのすぐ後だったそれが現れたのは
その時の私と同じ位か少し大きい位の大きさで、目はギョロリでしてて肌の色は緑色何か訳の分らない言葉を話してこっちを見ていたのを覚えてる。
少し怖い外見だったけどガイジンの人なんだろうか?
そんな事を考えながら
「えーと...こんにちわ、誰ですか?」
そうその人に話しかけたの、そしたらその人は奇声をあげて私に飛び掛ってきた。
「え?...キャーーー!」
その小さな緑の肌をしたその人は、私にいきなり襲い掛かってきて私に暴力を何度も振るってくる。
「いたっ!痛い!痛い!やめて、乱暴しないで!!」
何で?私何にも悪い事してないよ?何でこの人に暴力を振るわれるの?何でこんな怖い目に遇うの?
怖い、痛い、怖い、誰か助けて、江見ちゃん、智樹君、誰か!
声を出そうにも喉は恐怖で上手く出せず、体も萎縮してしまって動けないでいた。
春奈の頭の中は疑問符と恐怖だらけになる。
そして次の瞬間、<それ>は大きな口を開けた。
びっしりと鋭い歯が牙のように並んでいるのが見える。
そして次の瞬間、<それ>は春奈の左の肩口に思い切り噛み付いてきた。
「----------!痛いーー!いや!離して!離してよぉ!痛いー!」
噛まれた場所は余程深く噛まれたのか、血液が流れ出している。
更に<それ>はより一層自分の歯を食い込ませ、まるで食べ物を粗食しその部分を引きちぎろうとするかのように力を入れてくる。
「いやー!痛い痛い痛いーーー!」
助けて!誰か!誰かーー!
春名は心の中で必死に叫んだ。
その時
「何を...してるんだよ!」
緑色の肌をした<それ>の後ろから智樹が、<それ>の後ろから噛み付いている顎をギリギリと開ける。
子供では考えられないような力だ。
もしこの時春奈が良く見れば、智樹の体が黒いモヤに覆われているのが分った筈であるが、その時は恐怖でそれどころではなかった。
「何か波動がしてるから来てみれば...ぜぇい!」
智樹が力任せに顎を持ち広げると、<それ>の顎は大きな音と共に外れた。
「何でコイツ(・・・)がこの世界に?、しかも今の体じゃあ魔法は使えないし、使う魔力も限られそうだ...しかもコイツ相手に素手だと苦戦しそうだ。春奈が居るから手間はかけられないし、しかも力も残り少ないし...ならコイツで速攻で仕留める!!」
その時春奈には、智樹が<それ>を見ながら何か考えながらブツブツ言っているようにしか聞こえなかった。
だが、考えがまとまったのか腰を落とし右腕を引くと呼吸を整え始めた。
すると智樹の体のモヤが拳に集まっていき、智樹はその拳を<それ>に向かって全力で放った。
「決まれ<黒拳!>」
智樹はそう言いながら黒い拳を放ち、<それ>の顔面にヒットさせる。
<それ>は智樹に殴られると、驚くほど簡単に吹き飛び、何度も水面を跳ねる石のように何度も跳ねた後その場所にあった遊具に当たり事切れたようにそのまま動かなくなる。
そして......まるで空気に溶けるようにその体は消えていった。
まるでそこには最初から誰も居なかったかのように。
春奈はその光景を呆然と見ていた。
「(え?とっ智樹君凄く強い、てか今の人死んじゃった?でも、何にも残らないのって何?幽霊?...いやー!幽霊はダメ!でも私に噛み付いてきたのは現実で......)」
春奈の頭は飽和状態で混乱した。
そんな時<それ>に噛まれた傷が痛み始めた。
「痛っ!」
「大丈夫か春奈?」
そう言って心配そうに近寄ってくる智樹、心配をかけまいと「大丈夫」と言おうとするも、傷が痛んで上手く話せない
「この傷思ったより深そうだな...帰って休んだ方がいい、歩ける春奈?」
「だ...だいじょ...っ!」
安心したからか、傷の痛みが酷く響いてくる。
それを見た智樹は春奈の側に来て傷口を見ると自分の服で止血をし始めた。
「確か...心臓に近い位置を縛るんだった...な」
「たっ!」
「少し我慢して春奈」
そして智樹は簡単な止血を済ませると、そのまま春奈を抱きかかえる。
「(え?)」
気が付くと、春奈は智樹によって抱きかかえられていた。
「今日は残念だけどこのまま帰るよ春奈、あ、江見ちゃんが帰ってきた江見ちゃーん」
「なにー?智樹...って春奈!あんたどうしたのよ!!」
「野良犬に噛まれたんだ!急いで還らないと!」
え?と思う春奈に智樹はウインクしながら春奈に耳打ちしてくる。
「江見ちゃんに言ったって信じてもらえないだろうし、ここは適当な理由を言っておこう」
「う...うん、でも智樹君重くない?」
「別に、春奈は軽すぎる位だよ」
そう言われた瞬間、春奈は自分の顔がタコのように真っ赤になって熱くなったのを感じた。
それに今さっきからドキドキと自分の胸の鼓動が早くなったのを感じていた。
「大丈夫、ちゃんと家まで守ってあげるからさ」
ドックン
自分の心臓が一際大きく跳ねたのをその時感じた。
でも苦しくない、それどころか...何だろうこの気持ち?
その後、春奈の怪我を見た両親が大慌てで病院に連れて行き、大事にはならなかった。
だが、その時の怪我は今も肩口に残っている。
その後春奈は3日位熱を出して寝込んだ。
寝る度に<それ>が襲い掛かる夢を何度も見たものである。
その度にうなされ怖い思いをした。
でも、その間智樹と江見が何度もお見舞いに来たのである。
2人と話していれば怖いのはかなり収まった。
最初の日などは、ガタガタと震えながら智樹にしがみ付いて我侭を言って泊まってもらった事もある。
あの時は怖かったけど、智樹君が助けてくれた。
まるで王子様みたいだった。
智樹君の事を考えるだけで胸の奥がドキドキする。暖かくなる。
怖いのが何処かへ吹き飛んでしまうのだ。
その感情を母に尋ねると
「それは<好き>っていう感情よ、春ちゃんは智樹君の事が大好きなのね」
そう言われて春奈は
「そっか...これがそうなんだ...えへへ♪」
そう言いながらとても嬉しそうにはにかむ春奈。
「あらあら、春ちゃんご機嫌ね」
「うん♪」
春奈の小さな頃の話である。
ーーそして今ーー
春奈は智樹に肩を寄せている。
捕らわれてしまった時は怖くて震えが止まらなかったけど、今は智樹が側にいるので大分治まってきた。
「(やっぱり智樹君優しい、それにかっこいいし頼れるし...)」
あの時から春奈の気持ちは変わっていない、大好きだ。
でも、江見の気持ちも知っている。
何で手が出るのかは未だにどうかと思うけど...
一旦は親友の為に、この気持ちを閉じ込めておこうと思ったけど、やっぱり自分のこの気持ちは押さえられそうに無い、今も胸の奥で心臓がトクン、トクンと鼓動を早めている。
「ごめんね江見ちゃん、やっぱ私...諦めきれないよ」
春奈はそっと呟いた。
「ん?何か言った春奈?」
「ううん、何でもない独り言」
「そっか、まだ怖い?」
「......もうちょっと、もうちょっとだけこのままでいさせて智樹君」
「分った」
そしてもう少しだけ、春奈の幸せな時間は経過していく。
ーーー 一方その頃 ーーー
「お前ら!いつまでやってるんだよ!いい加減にしろよ!この子怯えてるじゃねーか!」
そう言いながらメイドの女の子を背中に庇う信也、その後ろに隠れながら女の子は涙ぐみながら震えていた。
「お願い!もう5回だけ!もう5回だけでいいから!」
「5回だけじゃねーよ皐月!しかも多いわ!!」
「じゃあ私は1回でいいから!」
「江見!お前今さっき攻撃をガードしたこの子を、スタンドに入るボールみたく吹き飛ばしたの忘れたのか?絶対にダメだ!!」
「じゃあ信也が...」
「やらんわ!お前らみたく、俺はバケモノじゃないわ!!」
「失礼ね脳筋の江見と一緒にしないでよ」
「誰が脳筋か!」
そんなやり取りをやっていた。
未だに春奈が居なくなっている事に気が付いてないのである。
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